コラム Column
弁護士歴12年。不動産問題、相続、インターネット問題などを取り扱う。
28歳のときに家業の不動産賃貸業を継ぎ、現在は名古屋市内に9棟を持つ。
2019年よりYouTuberとしても活躍中。
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前回のコラム「RC外断熱とは何か?③」で、「熱橋」対策が重要というお話しをしました。
今回は、引き続きRC外断熱の威力をより引き出すために工夫した点と、実際に私が計測した温度変化のグラフをご紹介します。
熱橋対策も重要なのですが、それよりも重要なのがサッシです。
冬には窓ガラスからは大量の熱が逃げ、アルミサッシではサッシ回りが結露でひどい事になります。
逆に夏には、日射によって室内の気温が上昇してしまいます。
そこで、サッシには樹脂製サッシを、そして窓ガラスには外部からの熱を反射し内部の熱を逃がさないLow-Eガラスをペアガラスで採用しました。
今でこそ、多くの戸建て住宅で樹脂サッシが採用されていますが、私が外断熱マンションを建てた2003年頃、このサッシは大変高価だったので非常に悩みましたが、サッシ回りを後年工事するのは困難なので思い切って採用しました。
RCの建物は在来木造の建物と比較して気密性が高く、エネルギーのロスが少なくてすみます。
そして、気密性が高いと居室内の空気が汚れていくため、換気が必要となります。
しかし、換気によって室内の気温が外気の影響を受けてしまうようでは、せっかくの気密性の意味が無くなってしまいます。
「あちらを立てればこちらが立たず」という状況です。
そこで登場するのが、「熱交換気システム」です。
熱交換型換気システム イメージ図
冬には室内から出て行く空気でフィルターを温め、屋外から入ってくる空気もそのフィルターを通すことで冷たい空気を暖めて室内に入れる、という仕組みです。
これによって、一時間当たり、0.5~1.3回室内の空気が入れ替わっても、室内の気温には大きな影響を与えないことになります。
室内の仕上げは、思い切ってコンクリート打ちっ放しにしました。
コンクリート打ちっ放しは好みがハッキリ分かれる素材です。
ただ、賃貸ならではの個性的な居室をお探しの客層が存在すると考えて選択しました。
飽きれば引っ越せばいいのが賃貸の良さですから。
というのは建前で、本当は単なる私の趣味です(笑)。
たしかに通常の物件であれば、部屋内をコンクリート打ちっ放しにすると、断熱を施すことができず、夏は非常に暑く、冬はとても寒いお部屋になってしまいます。
ところが、
建物の外側に断熱材が配置される外断熱であれば見た目とは裏腹に冷え込むこともありません。
退居時のクロスの張り替え面積も減らせるので大家にも優しい仕上げです。
このようにサッシ・ガラス、熱橋対策を施した結果をデータでご紹介します。
●気温と室温の変化の比較
外断熱マンションの入居者のご承諾を得て、約2年間、室内気温のデータをとりました。
もう一方は、近隣のマンション(RC内断熱)で採取したデータです。
各月の最高気温と最低気温を記録しました。
まず、外気は7月に38度を記録しています。
この月、①のマンションでは33度、②のマンションでは28度を記録しています。
次に寒い1月、外気温は-2度まで下がります。
このとき、①では8度まで下がっているのに対して、②では20度までしか下がりません。
グラフを見ると、一見して、①のマンションは外気温に大きく影響を受けていることがわかります。
これに対して②のマンションは、明らかに外気の影響が少なくなっています。
そして言うまでもありませんが、①の内断熱マンション、②のマンションが外断熱マンションの室温データとなります。
このように外断熱マンションの室内は、外気温の影響を受けにくいため、年間を通じて快適な住み心地を維持することができます。
次回は、外断熱マンションの電気料金のデータと、入居者に対するアンケート結果をご紹介します。
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