コラム Column

故野村克也氏に学ぶ不動産投資

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プロ野球界で選手・監督として大活躍をした故野村克也氏をご存知でしょうか。

野村氏は「ID野球」という代名詞にもなるように考える野球を推奨し、ヤクルトスワローズの監督時代には9年間で4度の優勝と3度の日本一を成し遂げています。

私は野村氏の考え方を不動産投資でも参考にしており、私が主催する不動産投資を学ぶ堀塾の合宿でも塾生に紹介したことがあります

今回のコラムでは、野村氏の考え方をどのように不動産投資へ活かしているのか解説したいと思います。

成功するためには根拠が必要

野村氏は、具体的で根拠ある指示をする監督だったと聞きます。

教え子の古田敦也氏は、「これまでの監督とは全然違いますよ。普通、『この打者は一発があるからクサイところを突いていけ』って言うじゃないですか?でも、それって、結局どうすればいいのか指示になっていないでしょ。野村監督は、『まず内角ストレートをボール球にしろ。その次は外角ストライクギリギリのスライダー。それで打たれたら仕方がない』と、指示が具体的なんです。」と評していました。

野村氏は、「配球には『根拠』がなければならない」と言っています。

不動産投資でも同じで、すべての投資判断の局面で、「根拠」が必要です。

指値の根拠となる4つの軸

例えば、土地の仕入れで指値をする場合、その指値の金額には「根拠」が必要です。

この場合の根拠は、以下の4つの軸から判断するべきです。

①価格の相場を知る

②売り主の状況を知る

③強豪の存在を知る

④売り主の性格を知る

売り出し価格>①相場価格の場合、相場価格の資料を示して相場価格で指値をするのが基本です。

②売主が不動産業者で、短期の転売益を求めている場合、仕入れ値<相場価格であれば、ほぼこれで指値が通ります。

ただし、③買い手の競合がいる場合、競合の購入希望価格と、競合の融資条件を知る必要があります。仲介会社経由で、上手く探れるとよいでしょう。

競合価格>当方指値額であっても、競合が融資を使う場合(いまだ融資承認が出ていない場合)で、当方が融資条件無し(融資が承認されることを契約の条件としない)の場合であれば、指値が通るものです。

とはいえ、どの程度の指値額であれば競合に勝つことが出来るのかは、仲介会社経由で②売主の状況を知る必要があります。

このように、①相場価格、②売主の状況、③競合の存在が指値の「根拠」となります。

一方で、②売主が個人の方で、特にその土地に抵当権が付いていない(借金がない)場合は、急いで売る必要もないので、必ずしも相場価格で指値が通るとも限りません。

この場合は、③競合の存在が重要となります。売主が不動産業者の場合と異なり、早く売る必要がないので、あくまで売却価格が高い方が優先となります。

③競合が存在しないということであれば、やはり①相場価格で指値をすることになります。

また、③競合が長期に亘り出てこない場合には、売り主が個人であれ、不動産業者であれ、相場価格を下回る指値をしてもよいでしょう。

この場合、指値の下限を仲介会社経由で探ることになります。

売り主の性格も考慮する

4つ目に、④売主の性格も知る必要があります。

指値自体を嫌う売主もいます。どうしても手に入れたい土地である場合、このような指値を嫌う売主に指値をしてしまうと、土地を売ってもらえなくなりますので、要注意です。

また、売主が個人で、資産家の方に多いのですが、金額や融資の条件と言うよりは、買主の属性を重視する方もいます。

自分が受け継いできた先祖伝来の土地を、有効に活用してもらいたいという想いです。買主が土地転がしのような不動産業者には売らない意向をお持ちです。

ですので、当方がその土地を購入して、どのような建物を建築して、どのようなテナントを誘致し、地域に貢献していくのかについて、積極的にアピールしてみるとよいかもしれません。

いずれにせよ、①~④の4つの軸で集めたID(インポータントデータ。野村ID野球という造語です)を基に、指値に「根拠」を持たせて買い付けを入れていく必要があります。

「とは」理論で考えを深める

野村氏の野球は「ID野球」という代名詞にもなるように、考える野球を推奨していました。

野村氏が思考を深める方法として、「とは」理論と言うものがあります。

野球とは?監督とは?捕手とは?と、普段当たり前に使われている用語や役割について、定義を考えることによって、考えを深めていたというのです。

ここで、皆さんも、「不動産投資とは?」と、考えていただけませんでしょうか?

ご自身の定義によって、不動産投資に対する考え方は変わってきますし、定義付けることによって、やるべきこと・勉強すべきことが見えてくるはずです。

例えば、単に、不動産投資とは、「不動産を購入して運用し、家賃収入や売却益を得る投資方法」と定義した場合、本質は見えてきません。

単に、物件を買って、運用して、家賃を得たり、売却時に高く売れれば利益が出るという理解にとどまります。

堀鉄平にとっての不動産投資「とは」?

私は、不動産投資とは、「レバレッジを利かせることができて、節税力もある金融商品への投資である」と定義してみました

いかがでしょうか? なかなか普段目にすることのない定義だと思います。

「レバレッジ」と、「節税力」と、「金融商品」の3点から構成されます。

まず、不動産投資をやる理由は、あくまでも資産運用の一環ですので、対象が不動産であっても、株や債券、国債等の金融商品への投資と原理は同じです。

実際、J-REITといった不動産投資信託は、対象が不動産であるにもかかわらず、金融商品として投資を募っています。

ですので、不動産投資も金融商品への投資と捉える必要があります。

逆に、現物である不動産に感情移入してしまって、好き・嫌いで投資判断をしてしまうと、投資の是非を見誤ります。物件を好き嫌いで決めてよいのは、自宅のみだと思ってください。

では、現物である不動産と、他の金融商品との違いは何かというと、まず、金融機関からの借り入れを利用して、レバレッジ(梃の原理)を利かせられるという点です。

FX(外国為替証拠金取引)や日経225先物などで証拠金を利用して取引を行う場合でない限り、通常、金融商品への投資は、保有している現金の範囲内となります。

不動産の場合は、不動産を担保に金融機関から借り入れをして投資出来ますので、「不動産投資とは?」と聞かれた際に、必ず挙げるべきポイントではないでしょうか?

次に、節税力がある点も不動産投資の特徴となります。

「減価償却」や「相続税の評価減」という理屈で、不動産を保有するだけで、所得税や相続税が下がる場合があります。これは他の金融商品では取り得ない効果です

資産運用をして資産を増やすというよりも、この節税効果を目的として投資する方も結構います。ですので、「不動産投資とは?」の定義に、節税力がある点は盛り込む必要があるのです。

投資を判断する際に考えること

以上のように、不動産投資を定義した場合、投資を判断する際に、以下の点を考えることになります。

まず、何より、他の金融商品との比較です。不動産を買うのが目的ではなく、資産を運用するのが目的ですので、リスクとリターンを比較して、投資の対象を選びます

そして、重要な指標は表面利回りではなく、自己資金の利回りです。金融商品として不動産投資をとらえるならば、自己資金に対するリターンを考える金融商品と同じ土俵で比較する必要があります

そうすると、不動産投資はレバレッジが効くのですから、有利ということも見えてきます。

すなわち、レバレッジも加味した自己資金利回りを出すことを意識してください

例えば、自己資金1,000万円、借入れ9,000万円で1億円の投資をして、年間のリターンが500万円であるとすると、自己資金利回りは、500万円÷1,000万円=50%です。

(実際には、元金の返済もあるので、手取りのCF自体は少なくなりますが、リターン=利益は50%ということになります)

他方で、同じく1,000万円の投資信託を現金で購入して、配当が年利5%(50万円)とすると、自己資金利回りも5%となります。

レバレッジにより、実に10倍の利回りとなります。

あとは、自己資金利回り5%の投資信託と、自己資金利回り50%の不動産投資を比較して、リスク(値下がりリスク、配当や賃料収入が減るリスク等)や節税力を考えて、投資の対象を決定していきます。

特に節税力については、通常の金融商品にない優位な点であり、それを理由に購入を決定する富裕層がいますので、投資の際に、どれほどの節税力のある商品かについて把握すべきです。

都心物件であれば、相続税の節税力が抜群ですので、利回り自体が低くても、出口で売却する際に高く売ることが可能となります。

このように、不動産投資とは?と定義を改めて考えることによって、自己資金利回りや節税力を投資の判断に加えるという考えに辿り着きました。

他にも、「仕入れ戦略とは?」とか、「出口戦略とは?」などと、「とは理論」で深めてみると、新たな視点に気づくことがあるでしょう。

地方インカムゲイン型の投資とは?

不動産投資で、もう1つ例を挙げます。

「地方インカムゲイン型の投資とは?」というお題で考えてみましょう。

「利回りが高い投資」とか、「キャッシュフローが出る投資」とか、「消費税還付の出来る投資」とか、色々な定義が考えられることでしょう。

この定義の付け方によって、その投資の成績は大きく変わります

ですので、「とは?」と聞かれた際は、慎重に、大きな視点で、成りたい姿を想像して答えてください。

私が仮にこの投資の手法を取るとすると、定義は以下になります。

「地方インカムゲイン型の投資」とは、「フルローンで銀行融資を引いて、地方高利回り物件を長期保有目的で購入し、順次規模を拡大して、巨額のインカムゲイン・キャッシュフローが入ってくる仕組みを作ること」です。

私がこの投資手法を取る場合に、成りたい姿=目標は、「巨額のインカムゲイン・キャッシュフローが入ってくる」ことです。

インカムゲイン型ですので、これを目標にするのは当然です。

では、どうしたらそうなれるかと言うと、「順次規模を拡大」することによって、インカムゲインが最大化する「仕組みを作る」ことです。

定義の前半の高利回り物件を1個、2個買ったところで、目標は達成できません。規模拡大こそ正義です。

このように、「とは」理論で考えを深めた結果、規模拡大する仕組みが大切であると分かりました。

規模を拡大する仕組みとは?

では、規模拡大をする仕組みとは、どのようなことでしょうか?

既に、メガ大家として規模拡大している方には、2種類あります。

1つ目は、多法人スキームを使って拡大した方です。金融機関をだますことになりますので、最早、取り得ない方法です。

2つ目は、「積算の出る」物件を買い増ししていく方法です。

金融機関は、いまだに積算(路線価など)と融資額が同等であることを重視します。ですので、都心のように路線価と時価が乖離している地域よりも、田舎で、路線価と時価が同等の立地の物件の方が融資を引きやすいのです。

メガ大家さんたちは、これを理由に、田舎の物件を多数買うことで、規模拡大してきました。

しかし、この方法もやがて行き詰まります。

考えてみてください。路線価と時価が同等というのは、人気がないという意味です。人気がない立地なので、時価が跳ね上がることもなく、路線価と時価が同等となっているのです。

従って、このような不人気の立地に投資していても、賃借人は減少していく一方で、築年数の経過に従って多額の修繕費が必要になりますし、かといって、売却するにしても、人気がないので出口が塞がれてしまいます。

地方のターミナル駅から徒歩圏内であればまだよいのですが、本当に何もない盆地にぽつんと建つアパートや、駅からバス便でないと辿り着けないRCマンションを買うのはダメだと思います。

銀行の融資が引けるからという理由で、わざわざ人気のない物件を買うのは本末転倒です。

話を「規模拡大の仕組み」に戻しますと、私がこの投資手法に参入するとすれば、主要ターミナル駅の徒歩圏内で、再販可能性が高く、かつキャピタルゲインが出るような買い方をします。

規模拡大するためには、銀行融資を引くことになりますが、積算の出る物件を買い進めるのではなく、売却を絡めてキャピタルゲインを得ることで財務内容を良くしていく方法です

そのためには、地方と言えど、好立地に拘りますし、売却した際にキャピタルゲインが出るように、安く買うことが必要になります。

地方でも好立地となれば、積算が出ないこともありますが、それでも、割安に買うことが出来れば、銀行融資も引きやすくなるはずです。

何がポイントになってくるのかを見極めて、投資の方針を決めていくとよいでしょう。

このように野村氏の考え方は、「根拠を必要とする」ことや「とは理論」など野球に限らず参考になることばかりです。

気になった方は是非ご自身でも野村氏について調べ、ご自身の生活に役立ててみてください。

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