コラム Column
弁護士歴12年。不動産問題、相続、インターネット問題などを取り扱う。
28歳のときに家業の不動産賃貸業を継ぎ、現在は名古屋市内に9棟を持つ。
2019年よりYouTuberとしても活躍中。
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前回の記事「外断熱とは何か②」では、外断熱についてのイメージをつかんでもらうために外断熱の建築現場をご覧いただきました。
今回は、「外断熱とは何か①」の続きのお話しをしていきます。
理論的には納得出来た「外断熱」。
それでもやはり現物を見てみないと決断を下せませんでした。
1億円を越える投資でしたので。
しかも、2001年当時、私は名古屋に外断熱建物が存在するかどうかも知りませんでした。
そこで、インターネッツで「外断熱」を検索してみました。
すると「日東建設」という会社を発見!
飛び込みで外断熱の設計施工について話をすることにしました。
そして、日東建設の建設した2軒の外断熱建物(戸建)を見せてもらいました。
さらには、建築途中の外断熱建物を見学するために、東京の「康和地所」さんの現場までお邪魔しました。
その際には、EV外断熱工法の「日本省エネ建築物理総研」さんにも同行していただき説明を受けました。
そんなこんなで、ようやく科学音痴の私にも、「外断熱」というものがわかってきた気がしました。
そして、日東建設が提案してきた外断熱の物件が、下のパースでした。
私は一目でこのデザインが気に入りました。
一般に外断熱の建物は「施工が難しく、デザインが制限される」、言われていました。
つまり、建物に凹凸があると施工が困難になり、熱橋(熱を伝える橋の意味で、断熱材の内と外を貫いて熱を伝達する部位のこと※後述)が生じ易くなるため、外断熱建物では出来る限り凸凹のない長方形(正方形)が好まれデザイン性で劣る、と言うのです。
特にベランダや共用廊下部分を如何にデザインするかが問題でした。
例えば金属製のベランダを後付けにしたり、共用廊下まで断熱してしまうという処置がとられています。
これに対して、日東建設が提案してきたデザインは、凹凸だらけで外断熱には不向きのように見えます。
しかし、次の建物配置図をご覧下さい。
この建物は長方形の居室部分のみで断熱ラインを保ち(赤い線)、ベランダやエントランス・共用廊下は別の構造体として建築し、熱の伝導率が低いステンレスで建物本体と接続する、という構造をとっています。
(ですので、今見てもわかりませんが、建物と廊下の間には若干の隙間があります)。
そのため、一見凹凸の多い建物に見えながら、熱橋が出来にくいデザインが実現することが出来ました。
このパースを見て、私は、「入居者を募集する際に、『外断熱』はわかりにくくても、デザイン性で勝負できる!」と考え、外断熱マンションの建築にゴーサインを出したのでした。
ここで熱橋について補足して説明しておきます。
熱橋とは、「熱を伝える橋の意味で、断熱材の内と外を貫いて熱を伝達する部位のこと」を言います。
次の図をご覧下さい。
外気温が0度、室内が20度という設定です。
廊下の床と建物本体の接続部分から外気温が建物本体に影響を与えていることがわかります。
この部分を「熱橋」と言います。
夏場には南側のベランダでも同じことが起こります。
この熱橋を如何に減らすかが、建物全体を暖めたり冷やしたりする外断熱建築物の一つの課題となります。
もっとも、廊下・ベランダ程度の熱橋があっても、内断熱建物と比較すれば居住性は圧倒的に良くなりますから、気にし過ぎるのも良くないかも知れません。
既製の商品を買って来るのと違い、建物は建ててみないとわからないことが多いのが難しいところですし、面白いところです。
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