コラム Column
弁護士歴12年。不動産問題、相続、インターネット問題などを取り扱う。
28歳のときに家業の不動産賃貸業を継ぎ、現在は名古屋市内に9棟を持つ。
2019年よりYouTuberとしても活躍中。
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初めまして!地主不動産投資家で弁護士、さらにYouTuberの加藤です。
私は不動産投資家から弁護士になり、最近ではYouTubeも初めて登録者13000人まで来ました。(詳しくは自己紹介をご覧ください)
コラムでは、弁護士で不動産投資家の体験をもとに、資産家や投資家の方に役立つ情報を発信していきます。
加藤が初めて相続を経験したのは、28歳のときのこと。
そのときのことを思い出しながら、当時考えたことや苦労したこと、「こうしておけば良かった」と思うことを書いていきたいと思います。
加藤の家は、名古屋市の東の外れで農業を営んでいたため、田畑を持っていました。
地下鉄や高速道路ができ固定資産税を支払うことが難しくなったので、父の母(つまり祖母)の代から田んぼを潰して、アパートを建てていました。
私が28歳になった年の年末、兼業で大家をしていた父が倒れ、医師から余命3ヶ月を告げられました。その頃、私は呑気に大学院に残り、司法試験に落ち続けていました。
(※司法試験に落ち続けている人のことを俗に「司法浪人」と言います。)
余命宣告を受けた私は当時交際していた女性に大変な無理を言って、結婚してもらうことができました。今考えてみると、司法浪人だった私のところによく来てくれたと思い、改めて妻に感謝した次第です(笑)
結婚式を挙げた3日後、父は亡くなりました。
なので、その1週間は、結婚式から通夜・葬儀と、妻とともに参列者に頭を下げ続けどおしでした。
父の相続人は、専業主婦の母と、小売業で働いていた弟(未婚)と私の3人。
当時私は、父の大家業にほとんどノータッチだったため、どこにどのような物件があるのか、どこに管理を頼んでいるのか、借金はいくらあるのかすら分かっていない状況でした。つまり、「お坊ちゃん」だったわけです。
母の意向で、父には余命を話していなかったので、当然父は遺言を書いていませんでした。
お坊ちゃんの加藤は、何も分からず、税理士から説明を受け、父の遺産は借金を差し引いても6億円以上あり、相続税も1億円程度になると説明を受けました。
(相続税の計算方法については、後日また別の記事で解説します。)
ところが、父の手持ち資金は3000万円程度しかありません。
仕方がないので、私達は、一部の土地を売ると共に、売れなかった土地を物納することになりました。
今考えれば、それらの土地を担保にして、金融機関から融資を受けたり、相続税の延納という方法もありましたが、当時はそのような知恵もなく、泣く泣く土地を手放しました。
20年以上経った今でも、その土地の前を通ると、嫌な気持ちになります(苦笑)
相続税は恐ろしいもので、人が亡くなってから10ヶ月以内に、相続税がいくらになるのかを申告すると同時に、その金額を納税しなければなりません。
そのため、相続税を準備するために土地を売ろうとすると、安く買い叩かれます。
もしも相続税を支払うために土地を手放さなければならない場面が来ても、仲介業者や売主には、そのことを言わない方が良いと考えます。足元を見られるだけですので。
今の知識があってやり直せるなら、結婚したてだった妻を父の養子にするという方法も考えられます。
養子が一人増えると、相続税を減らすことができるからです。
後日税務署から否認される可能性もありますが、検討する余地は十分にあったと思います。
(相続税対策としての養子については、また別の記事で)
このように、加藤にとってのはじめての相続は、控えめに言って「大失敗」でした。
そしてこのときの苦難が加藤の原点となっているのではないかと、今では思います。
この初めての苦難をきっかけに、相続について調べました。
また弁護士の実業務でも、多くの資産家の方の相続税対策を行ってきて、先祖代々引き継いできた大切な資産を売らなくても済むように、お手伝いをさせていただいてきました。
加藤家の相続でも、長年の準備を行い相続で資産を売らなくてもよい準備ができてきました。
それらのノウハウや知識を解説していきますので、楽しみにしてください。
ありがとうございました。