コラム Column

今後の不動産価格の見通し 2022年夏


はじめに

弁護士になる前から大家をしているお陰で、私は非常に多くの不動産投資家の方々と情報交換する機会に恵まれています。

そこで今回は、これらの情報を踏まえて、2022年8月の時点での今後の不動産価格の見通しについて、書いてみます。

不動産価格はもうすぐ天井になるとする見解

昨今は非常に不動産の価格が値上がりしており、インカム(=家賃収入)をベースにすると、キャッシュフローが合わないようになっています。つまり不動産の価格が高すぎて、家賃収入では購入資金の返済と納税が追いつかないということです。時間貸し駐車場業者の駐車場用地を探す営業マンからも、「借り上げ地代は上昇している一方で、駐車場料金を上げられないので利幅が少なくなっている。」というお話しを伺いました。

そのため、「そろそろ不動産価格も天井ではないか」という意見も聞かれます。

しかも、これまで徹底的に金融緩和策をとってきた日銀の黒田総裁の任期が来年(2023年)4月に迫っています。また融資の金利もジワジワと上がってきていること、日本の人口が減少していること、さらにはコロナ融資の返済猶予が終了し始めることを理由に、来年あたりから不動産価格は下落していくのではないか、という考え方です。

まだまだ値上がりするという見解

これに対して、まだまだ不動産価格は安くならない(高止まり)ないしは上昇するという意見も根強く聞かれます。

まだ値上がりするという不動産投資家の意見の根拠は、

・市中に資金がダブついている、つまり、低金利で融資を受けやすい状況が続いていること

・日本を含む世界中がインフレになっていること

・近年不動産投資の裾野が広がり、買い手が数多くいること

からすれば不動産の価格が落ちることは考えにくいといったものです。

値上がりすると考えている不動産投資家に、「貸出金利の上昇やコロナ融資の返済期限が来た方による投げ売りがありませんか?」と尋ねたところ、

「局所的には投げ売りもあるかも知れないが、今は融資を受けられる買い手が多いので、不動産相場全体の崩壊はないのではなかろうか。むしろインフレ局面なので、家賃を上げる努力をした方が良い」とのご意見でした。

私見

(1)たしかに私の肌感覚からしましても、現在不動産は非常に高値で取引されており、インカムに頼ったこれまでの投資手法では割に合わなくなってきていると思います。

しかしながら、それでも私は不動産価格はしばらく下落しないか徐々に上昇していくと考えます。以下その理由を述べます。

まず、世界的な資材不足、設備不足、さらには人手不足により、資材や設備、さらには人件費も高騰しています。先日、生コンの卸業者の社長さんからも、「一旦上げた価格を下げることはない。」とのお話しを伺いました。

また現在、私は障害者グループホームを企画していますが、昨年4月に比べて、10%以上建築費が値上がりしてます。さらに言えば、私は16年前にRCのマンションを建てましたが、この時と比べると建築価格は倍近く値上がりしてます。

新築物件の建築価格が上昇している以上、中古物件も値下がりしません。

そして当面こうした値上がりの原因となっている資材不足・設備不足、人手不足が解消される見込みはありません。このように経済はインフレ傾向にあります。

また先日日銀がみずほ銀行にマイナス金利を適用しています。これは未だ日銀が大幅な金融緩和策を継続していることを示しており、不動産投資で融資を受けることを後押ししているものと思われます。

以上のとおり私を含め、不動産投資家界隈や建設業界では、まだまだ不動産価格は下がらないという見方が有力です。

(2)このように不動産が高値となっている現状でも、お値打ちな物件を常に探し見つけ、それを購入しているヤリ手の不動産投資家もいらっしゃいます。

不動産投資で高値掴みをすると致命傷になることを忘れずに、普段から値打ちで客付けの出来る物件を探し続けることが重要だと思います。

私も、今後の金利上昇に備えつつ、投げ売られる物件を速やかに購入することができるよう、普段から銀行の担当者とやりとりしたり、新たな銀行を開拓するなどして、態勢を整えております。

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