不動産投資講座 Knowledge
弁護士(東京弁護士会、72期)。
慶應義塾大学法学部・同大学法務研究科卒業。
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路線価という言葉を聞くけど、どういう意味だろう?
と悩まれたりしていませんか?
路線価とは、土地の価格を評価するための国が発表している指標です。
道路に1㎡当たりの土地の値段がつけられており、路線価10万円の道路にめんしている100㎡の土地の評価額は
土地の評価額 = 10万円 × 100㎡ = 1000万円
というように計算します。
この記事では、路線価とは何か、不動産投資や相続などでどのように使われているのかについて解説します。
路線価は相続税路線価と固定資産税路線価があります。
国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月に公示する公示地価を指標とし、その8割を目途に設定される価格のことです。国税庁(税務署)によって定められ、毎年7月に、その年の1月1日時点の価格が公表されます。
土地を相続する場合の土地の評価価格の算出に使われます。
国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月に公示する公示地価を指標とし、その7割を目途に設定される価格のことです。市町村長(東京23区では東京都知事)によって定められます。
土地の固定資産税評価額の算出に決められます。
相続税路線価や固定資産税路線価は、あくまで相続税や固定資産税の評価に使われる指標となっています。
そのため、一般的には路線価が実際に売買される土地の価格とは異なっています。
都心部においては、実際の土地の価格より路線価での評価金額が低くなるのが一般的です。
路線価での評価金額 < 実際の金額
例えば都心部では1㎡100万円の路線価の土地が、1㎡300万円で売られてるケースもあります。
地方においては、都心部と状況が大きく変わってきます。
路線価の評価額と実需の評価額に大きな差がないエリアが多いです。
需要がほとんどないようなエリアですと、路線価よりも低い価格で取引される地域もあります。
路線価が高くて評価金額が伸びるという理由だけで購入したけれど、実需で売却できなかったという失敗をされた方もいますので、十分にご注意を頂ければと思います。
は土地の固定資産税評価や、相続税評価において使われる国が発表している指標になります。
それぞれ、固定資産税路線価、相続税路線価があります。
土地には定価という概念はありません。基本的には需要と供給で価値が決まります。
路線価は路線価図というもので公表されています。この路線価図は、国税庁のウェブサイトや全国の税務署で閲覧できるようになっています。
また相続税路線価価図では、1㎡あたりの単価が1000円単位で表示されています。
これを踏まえ、次のような計算式によって土地の評価額を算出します。
土地の評価額=(路線価×1000円)×宅地面積 1㎡あたりの評価額 |
例えば、路線価80の土地50㎡の場合、(路線価80×1000円)×50㎡という計算により、その土地の路線価評価額は400万円となります。
ただし、実際には土地の利用状況や形状によって計算方法が変わる場合があります。以下の点については押さえておくと良いでしょう。
道路に面するのが1面のみの場合、土地の奥行が極端に長かったり、逆に短かったりする場合があります。このような土地は活用しにくいので、路線価評価額が下げて調整を行います。なお、補正率は奥行距離や地区によって異なります。
例えば、奥行距離が4mで奥行価格補正率が0.90となる場合、上記計算式にこの奥行価格補正率0.90を乗じることになります。
土地に他の権利や制限がなく、所有者だけで自由に使える土地のことです。自宅の敷地がまさにこれにあたります。この場合は、①の奥行価格補正率を考慮する以外は上記計算式に影響を与えません。
借りた土地に家を建てて居住することができる権利のことです。
借地権割合に応じた補正がかかります。価格表示にあるA~Gのアルファベットが借地権割合を示しています。
Aが90%、Bが80%、Cが70%、Dが60%、Eが50%、Fが40%、Gが30%の借地権割合です。
例えば、価格表示が「480D」の借地であれば、路線価は480×60%=288となります。
借地権が設定されている宅地のことです。②の自用地評価額から③の借地権相当額を引いたものが評価額として算出されます。
正面と側面が主要な道路に面している土地を角地といいます。交差点や丁字路ではないL字型の道路に面している土地を準角地といいます。
これらは、2つの主要な道路に面しており、一方の路線価で評価額を決めることはできないため、次のような計算式を用いることになります。
(正面路線価×奥行価格補正率)+(側面路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率)
側方路線影響加算率は、角地の場合は0.03、準角地の場合は0.02とされています。
不動産を使った相続税対策は、こちらの「不動産を使った相続税対策」の記事を参照ください。
不動産投資で銀行融資を受けるときに、物件を担保として融資を受けます。
担保とは、借金が返済できない場合にその土地を代わりに売却して借金を回収するための補償のようなイメージです。
土地の担保評価をどのように行うかは銀行によって様々ですが、土地の担保評価に路線価を使う銀行があります。
路線価を知ることで、銀行の担保評価の予想ができるので便利です。
ここまで路線価について解説してきました。
路線価は工程資産税や相続税や不動産の担保に使われる土地の価値を算出するために使われています。
もし不動産を保有されていたら、路線価がいくらなのか調べてみても面白いでしょう。
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