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路線価について押さえよう!

作成日: 2020/07/02 投稿者名:溝口 矢
更新日: 投稿者資格:弁護士(東京弁護士会)
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【執筆者:溝口 矢】
弁護士(東京弁護士会、72期)。
慶應義塾大学法学部・同大学法務研究科卒業。弁護士法人Martial Artsにて不動産関係の問題に多数関与。(法律相談、交渉、訴訟、講演等)。
不動産投資DOJOにてコラム執筆中。





一物四価

 土地には定価という概念はありません。基本的には需要と供給で価値が決まります。

 

しかし、それでは税金をどのように課したら良いかや取引の際の価格設定にあたり不便です。

 

そこで、指標となるよう土地に設定される価格が主に4種類あります1つの土地に4種類の価格が存在することになる点をとらえ一物四価といいます。

 

①実勢価格(取引価格)

市場で実際に取引が成立する際の価格のことです。実際に近隣の土地がどれくらいの価格で取引されたかを知ることで、土地の価格を決める際の参考にすることができます。国土交通省の土地総合情報システムで過去の価格を確認できます。

②公示地価・基準地価

それぞれ地価公示法に基づいて国土交通省が毎年1回公示する基準値の価格、国土利用計画法に基づいて都道府県が毎年1回公表する基準値の価格のことです。公示価格は、9割程度の価格になるといわれています。

③相続税評価額(相続税路線価)

国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月に公示する公示地価を指標とし、その8割を目途に設定される価格のことです。国税庁(税務署)によって定められ、毎年7月に、その年の11日時点の価格が公表されます。

④固定資産税評価額(固定資産税路線価)

国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月に公示する公示地価を指標とし、その7割を目途に設定される価格のことです。市町村長(東京23区では東京都知事)によって定められます。


 

一物四価の中で、一般的な土地の評価として使われるのが路線価(特に相続税路線価(③))です。

 

路線価(路線価確)とは、市街地や郊外などの主要な道路に付けられる時価のことです。その道路に面した土地は同じ額で評価されることになります。

 

※土地の評価額は、路線価で計算できるものとできないものがあります。なぜなら、上記のように路線価は主要な道路に付けられる時価であるため、主要な道路に面していない土地については路線価をつけることができないからです。そのため、相続税は、路線価方式(下記参照)と倍率方式(固定資産税評価額×倍率)のいずれかをもとに土地の評価額を算出したうえで計算する(「(土地の評価額-基礎控除額)×相続税率」)ことになります。

 

 

路線価の調べ方と計算方法

 路線価は路線価図というもので公表されています。この路線価図は、国税庁のウェブサイトや全国の税務署で閲覧できるようになっています。

 

そして、路線価図では、1㎡あたりの単価が1000円単位で表示されています。

 

これを踏まえ、次のような計算式によって土地の評価額を算出します。

 

土地の評価額=(路線価×1000円)×宅地面積

       1㎡あたりの評価額


例えば、路線価80の土地50㎡の場合、(路線価80×1000円)×50㎡という計算により、その土地の路線価評価額は400万円となります。

 

※上記の一物四価の記載からも明らかなように、路線価は相続税の算出基礎とするための土地の評価額にすぎないため、実際に売買されるときの時価とは異なるということには注意しましょう(実際にはこの路線価よりも高い値段で売買されることが多いです)。

 

 

ただし、実際には土地の利用状況や形状によって計算方法が変わる場合があります。以下の点については押さえておくと良いでしょう。

 

①奥行価格補正率

道路に面するのが1面のみの場合、土地の奥行が極端に長かったり、逆に短かったりする場合があります。このような土地は活用しにくいので、路線価評価額が下げて調整を行います。なお、補正率は奥行距離や地区によって異なります。

例えば、奥行距離が4mで奥行価格補正率が0.90となる場合、上記計算式にこの奥行価格補正率0.90を乗じることになります。

 

②自用地

土地に他の権利や制限がなく、所有者だけで自由に使える土地のことです。自宅の敷地がまさにこれにあたります。この場合は、①の奥行価格補正率を考慮する以外は上記計算式に影響を与えません。

 

③借地権

借りた土地に家を建てて居住することができる権利のことです。

借地権割合に応じた補正がかかります。価格表示にあるAGのアルファベットが借地権割合を示しています。

A90%B80%C70%D60%E50%F40%、G30%の借地権割合です。

例えば、価格表示が「480D」の借地であれば、路線価は480×60%=288となります。

 

④貸宅地

借地権が設定されている宅地のことです。②の自用地評価額から③の借地権相当額を引いたものが評価額として算出されます。

 

⑤角地・準角地

正面と側面が主要な道路に面している土地を角地といいます。交差点や丁字路ではないL字型の道路に面している土地を準角地といいます。

これらは、2つの主要な道路に面しており、一方の路線価で評価額を決めることはできないため、次のような計算式を用いることになります。

(正面路線価×奥行価格補正率)+(側面路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率)

側方路線影響加算率は、角地の場合は0.03、準角地の場合は0.02とされています。



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