コラム Column
弁護士(東京弁護士会、72期)。
慶應義塾大学法学部・同大学法務研究科卒業。
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従来から、日本には所有者不明土地(①不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地、②所有者が判明しても、その所在が不明で連絡が付かない土地)が多数あり、そのような土地が管理されずに放置されるなどして民間取引の阻害や隣接土地への悪影響の発生等が問題となっていました。
高齢化の進展による死亡者数の増加等で、このような問題は更に深刻化することが予想されていました。
①相続登記の申請が義務でなく、申請をしなかった場合でも不利益を被ることが少なかったことや
②相続や遺贈をきっかけに望まない土地を取得した人が積極的に管理を行うモチベーションを持ちづらいこと等があげられます。
・相続登記申請の義務化・環境整備(相続人に登記を促すアプローチ。目次3・4)
・登記名義人の権利能力喪失に関する登記所の権限拡大(登記所に登記を促すアプローチ。目次5)
この場合、相続人が、このような形で取得したことを相続登記申請期間内に登記する必要があります。
この場合、相続人が、相続により取得したことを相続登記申請期間内に登記する必要があります。
なお、他の共同相続人が相続放棄して単独相続となった場合も含まれます。
この場合、遺産分割によって不動産を取得した共同相続人が、遺産分割により取得したことを相続登記申請期間内に登記する必要があります。
この場合、ひとまず共同相続人が、法定相続分にしたがった登記の申請を相続登記申請期間内にする必要があります。その後、遺産分割が行われた日から3年以内に、法定相続分を超えて所有権を取得した共同相続人が、再度、所有権移転登記を申請する必要があることには注意が必要です(先の法定相続分についての登記のみで終えてしまうと相続登記申請義務違反となってしまう可能性があります。)。
相続登記申請期間内に、単に自己が相続人であることを申告することによっても相続登記申請義務を履行したことになります(相続人申告登記)。ただし、相続人申告登記期間内に遺産分割を行った場合には、この方法によることができませんのでご注意ください。
この点を踏まえますと、次のような対応が望ましいと思われます。
これらの対応であれば、相続登記の内容と実際の相続の内容とが整合することになります。
一旦、相続登記申請義務を果たすという目的がある場合には有用ではありますが、できる限り、先の対応を行うよう努めることがよろしいでしょう。
遺産分割等の整備も進め、申請者側の対応に依存しないでも相続登記との整合性が図られるような制度設計にしていくことで、所有者不明土地の減少をより実効的に進めていくことができるとよろしいのではないかと存じます。
今後の法整備や実務上の対応に期待がかかるところです。
相続登記のほか住所変更等があった場合にも登記申請義務が課せられることになります(令和8年4月までに施行)ので併せてご注意ください。
より詳しく制度について確認されたい方は、法務省のウェブページ(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html)もご参照ください。
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