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媒介契約はどれがいい? 弁護士がメリットデメリット解説


不動産を売却したいと思ったとき、個人で売却先を見つけることは難しいため、媒介業者に媒介(仲介)を依頼するのが一般的です。本記事では、不動産の売却の媒介を依頼するにあたって締結する媒介契約についてご説明いたします。

媒介契約には大きく3つの種類があります。

媒介契約の種類は、売却する不動産の価格や売却までの日数に大きく影響します。

売却の希望条件や物件に適した媒介契約を選ぶことが、より良い売却をすることができる可能性を高めることに繋がります。

本記事では弁護士が

  • 媒介契約の種類
  • それぞれのメリットデメリット
  • おすすめの媒介契約

について解説いたします。

媒介契約とは

媒介契約とは、依頼者が媒介業者に対し売買等の契約の媒介(仲介)を依頼し、媒介業者がこれを引き受ける契約のことです。

主な内容としては、以下が記載されていることが多いです。

  • 媒介契約の種類
  • 売却活動の条件
  • 売却できた際の成功報酬

国土交通省がフォーマットを発行していますのでご参考ください。

▶国土交通省が発行する標準媒介契約約款

https://www.mlit.go.jp/common/001213683.pdf

媒介契約には3つの種類がある

媒介契約には3つの種類があります。

・一般媒介契約

依頼者が他の媒介業者に重ねて媒介を依頼することも、依頼者自ら買主を探すことも許容する媒介契約です。

・専任媒介契約

依頼者が複数の媒介業者に重ねて媒介を依頼することは禁止するものの、依頼者自ら買主を探すことは許容する媒介契約です。

・専属専任媒介契約

依頼者が複数の媒介業者に重ねて媒介を依頼することも、依頼者自ら買主を探すことも禁止する媒介契約です。

媒介契約の種類によって、以下の点に違いがあります。

  • 複数の不動産会社と媒介契約できるか
  • 自分で買主を見つけることが可能か
  • 不動産流通機構への登録義務の有無
  • 販売状況報告の頻度
  • 契約期間

それぞれメリットデメリットがありますので、媒介契約の種類を選択するときの参考にしていただければ幸いです。

一般媒介契約

一般媒介契約は、買主を探す点において一番自由度の高い契約です。

他の媒介契約と違って、複数の媒介業者に媒介を依頼することができます。また、自分で買主を探して契約することも可能です。

他方で、媒介業者からのサポートは手薄になりやすいです。販売状況報告の頻度が決められていません。レインズ(不動産流通機構)への登録も義務付けられていないため、任意で登録をしてもらえない限り、レインズを通じたスムーズな不動産の売却ができません。

ご自身で各媒介業者の対応状況の整理等をして行動しなければならないことも多いので、ある程度の手間がかかります。

一般媒介契約の注意点

多くの媒介業者と媒介契約を結べるのは利点ですが、契約する会社が増えるほどやり取りも増えるため、多くても媒介業者は3~4社に絞るのが現実的です。

需要の高い不動産を販売する際は、比較的早く高い価格で売れる可能性が高いため、上記のような手間がかかる期間が短くなるといえ、一般媒介契約とするのに適しています。

他方で、需要の低い不動産を売る際は、なかなか売れない可能性が高いため、売れ残っている間、上記のような手間もかかり続け、一般媒介契約とするのに適していません。

一般媒介契約は明示型と非明示型どちらにするべきか

一般媒介契約には明示型と非明示型があります。

媒介契約を締結する媒介業者へ、他に契約をしている媒介業者がいることを明示するのが、明示型、明示しないのが非明示型です。

媒介業者の立場からすれば、成約をすることができた(媒介に成功した)媒介業者のみが報酬を獲得できるため、ライバルの存在を知っておきたいと思うのが一般的です。依頼をする立場としても、ライバルの存在を知らせることで、各媒介業者による積極的な媒介を促すことができます。そのため、非明示型を選択すべき理由がない場合には、明示型を選択するのが無難といえます。

専任媒介契約

専任媒介契約は、依頼することができる媒介業者が1つに限定されますが、自分で買主を見つけることもできるため、自他で同時並行的に買主を探すことができる点でバランスの取れた媒介契約であるといえます。

媒介業者からのサポートは一般媒介契約と比べれば手厚くなり、販売状況報告の頻度は、14日に1回以上となります。また、契約締結から7日以内にレインズへ登録することが義務付けられています。

ある程度は媒介業者に任せて手間を減らしたいものの、ご自身でも買主を探したい方におすすめです。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は、依頼することができる媒介業者が1つに限定されるものの、媒介業者から手厚いサポートを受けることができます。販売状況報告の頻度は、7日に1回以上となります。また、契約締結から5日以内にレインズへ登録することが義務付けられています。

ご自身で買主を見つけることが難しいと考えている場合やご自身で買主を見つける予定がない場合に選ぶと良いでしょう。

ただし、契約を締結する媒介業者への依存度が高くなるため、媒介業者の選定は慎重に行う必要があります。

迷った場合は専任媒介契約

もし媒介契約の種類をいずれにすべきか迷った場合は、自身で買主を探しつつ、媒介業者からのサポートも受けられる専任媒介契約を選択するのが無難です。

専属専任媒介契約を結んだ後に、知人に不動産を売却したいと思っても、専属専任媒介契約の契約期間中は、ご自身でその知人へ売却することはできません。

また、一般媒介契約では、媒介業者のサポートが手薄くなりがちであるなどといったことから、売却までに手間や時間がかかる可能性があります。

もちろん、売却の希望条件やご自身の不動産に適した媒介契約の種類を選択することが最善です。判断が難しい場合には弁護士等の専門家にご相談されるのも良いでしょう。

媒介契約の種類の選択が良い場合でも、個別の契約内容で不利な内容となっている場合も少なくないため、積極的に専門家へご相談されるのはメリットが大きいといえます。

まとめ

ここまで媒介契約について解説してきましたがいかがだったでしょうか。

売却の希望条件やご自身の不動産に合わせて媒介契約の種類を検討することで、より良い売却をすることができる可能性が高まります。

媒介契約の締結をご検討の際は、本記事の内容を参考にしていただけますと幸いです。

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