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立退きしないときの最後の手段!強制執行とはどんな手続き?

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【相談】立退きしないときの最後の手段!強制執行とはどんな手続き?

所有するアパートの借主が以前から家賃を滞納しています。何度も支払うよう催促しましたが、お金がないから待ってくださいといって半年以上滞納を続けています。家賃を払わない人をずっと居続けさせるわけにもいかないため、裁判所に建物明渡請求訴訟を提起しました。この裁判では借主が争わなかったため、すぐに勝訴判決が出ました。

それにもかかわらず、借主は未だにその部屋に居座っており、立ち退く気配がありません。

建物明渡しの勝訴判決も得ていますので、すぐにでも強制執行をしたいと思っていますが、強制執行はどのような手続きなのでしょうか。

【回答】勝訴判決の判決書等に基づき、裁判所が強制的に明け渡しを実現する手続きです。

建物明渡しの強制執行とは、建物明渡請求訴訟の勝訴判決等に基づき、裁判所が強制的に明け渡しを実現する手続です。実際に強制執行を行うには、必要資料を取り寄せて建物所在地を管轄する裁判所に強制執行の申立てを行います。申立て後、執行官という裁判所の職員との打ち合わせや、強制執行のための業者の手配を行い、借主が執行官からの明渡しの催告にもかかわらず立ち退かない場合、最終的に強制的に明け渡しが行われます。

ただし、強制執行の費用は高額になりますので、勝訴判決を取得してもただちに強制執行をするのではなく、いったんは借主が自分で立退きをするよう再度交渉してみるべきでしょう。

 

【解説】

強制執行ってどんな手続き?

強制執行とは、勝訴判決を得たり、裁判上の和解が成立したにもかかわらず、相手方が判決に従わない場合に、債務名義(判決書や和解調書等のことです。)を得た人の申立てによって、判決内容を裁判所が強制的に実現する手続です。この手続きは、裁判官ではなく、執行官という裁判所の職員が行います。

建物明渡しの強制執行の場合、勝訴判決後も居座る借主を立ち退かせる最後の手段として、強制的に鍵を開けて部屋に入って荷物などを運びだし、最終的に鍵を交換して借主が部屋に入れないようにします。

判決を獲得したら、すぐに強制執行を行う?

建物明渡請求訴訟の勝訴判決が出ると、裁判までしたのだからさっさと強制執行をして居座る借主を立ち退かせたいと思うでしょう。建物明渡を認める判決を獲得すれば、裁判所に申し立てることにより、いつでも強制執行を行うことができます。

もっとも、勝訴判決を得た後、ただちに強制執行をするのではなく、もう一度借主に立ち退きの交渉をすべきです。

というのも、やはり裁判で明渡し請求を認める判決が出てしまった以上、借主としても本当は出ていかなければならず、このまま居座れば強制執行されるのは時間の問題だということはわかっているのです。そのため、裁判前の交渉と異なり、立ち退くことを前提として退去日を調整する等ある程度スムーズに交渉が進むことも珍しくありません。

また、強制執行をするためには、裁判費用とは別に、新たに裁判所への強制執行申立手数料のほか、荷物を運び出す業者へ費用、鍵を取り換える業者への費用等が掛かります。荷物を運び出す業者への費用は、部屋の大きさや荷物の多さによっても異なりますが、強制執行全体として数十万円の費用がかかってしまいます。法的には強制執行の費用を借主に負担させることもできますが、家賃を払えない借主が強制執行費用まで払える現実的な見込みは小さいため、結局貸主が負担せざるを得ません。加えて、強制執行手続を弁護士に依頼すれば弁護士費用も上乗せされます。このように強制執行にかかる費用は意外に高く、強制執行をすることになってから費用の高さに驚く方も多いです。

強制執行前に再度交渉を行い、借主が自ら立ち退いてくれれば高額な強制執行費用を払わなくてよくなりますから、勝訴判決後も、強制執行前に再度交渉をする価値があるのです。

しかし、中にはそれでも部屋に居座る借主もいます。このような借主は、もうどうなってもいいと割り切っていることもあれば、本当にお金も頼る人もなく、その部屋を出た後に住む場所がまったくないということもあるでしょう。ただ、借主にどのような事情があれ、貸主としては借主に立ち退いてもらわなければならないことに変わりはありません。

このような場合は、強制執行により、強制的に立ち退いてもらうしかありません。

強制執行の手続きの流れ

建物明渡強制執行のおおまかな流れは次のとおりです。

①執行文の取得

強制執行は獲得した債務名義に基づいて行いますが、そのままの状態では強制執行することができません。強制執行を行うためには、執行文というものをつけてもらう必要があります。執行文付与の申立てを行うことにより、通常は「債権者は、債務者に対し、この債務名義に基づき強制執行することができる」と書かれた紙が債務名義の末尾に綴じられます。

執行文付与の申立ては建物明渡請求訴訟を行った第1審の裁判所に対して行います。

②強制執行の申立て

強制執行前の交渉が功を奏さなかった場合、裁判所に強制執行の申立てをして強制執行手続をスタートさせます。この申立ては、対象となる建物の所在地を管轄する裁判所に強制執行申立書を提出することによって行います。

申立書には執行文が付与された債務名義の正本を添付します。そのほか、判決が借主に送達されたことの証明書、判決が確定したことの証明書等も添付する必要があり、これらも建物明渡請求訴訟を行った裁判所で取得することができます。

③執行官面接

強制執行の申立てを行うと、執行官と面談して建物の状況や借主の状況等について説明し、強制執行がスムーズに行われるように打ち合わせを行います。このとき、④の執行催告の期日も調整します。

④執行催告

執行催告では、執行官が対象の建物まで赴いて借主の状況や部屋の中の状況を確認し、借主に対して明渡の催告を行います。このとき、執行官は⑤の明渡しの断行日(強制的に明け渡しをする日)も決定し、断行日を記載した公示書を建物内に貼り付けます。

ここまで粘っていた借主でも、実際に執行官から明渡の催告をされ、断行日が決められると、いよいよ最終段階だということが分かりますので、執行催告から断行日までの間に自分から退去することもあります。

⑤明渡の断行

最後まで借主が自分で退去しなかった場合、強制的に明け渡しが行われます。断行日には執行官が改めて対象の建物に赴き、荷物を運び出す業者や鍵を変える業者なども現地にそろいます。

そして、建物の鍵を開けて中に入り、建物内に借主が居座っていれば強制排除し、残っている荷物を建物から運び出すことになります。荷物の運び出しが終わり、最後に鍵を交換することで明渡は完了します。

運び出された荷物は、執行官が指定する保管場所に一定期間保管され、借主が引き取りに来ない場合は、売却または廃棄されます。

おわりに

強制執行手続は、執行官との打ち合わせのほか、荷物を運び出す業者や鍵の業者等の手配が必要となり、貸主が行うには複雑な手続きとなります。最終的に強制執行をする際は、弁護士に依頼することをお勧めいたします。

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