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3つの不動産取引形態をチェックしよう!【売主、代理、媒介・仲介】

作成日: 2020/12/08 投稿者名:溝口 矢
更新日: 投稿者資格:弁護士(東京弁護士会)
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【執筆者:溝口 矢】
弁護士(東京弁護士会、72期)。
慶應義塾大学法学部・同大学法務研究科卒業。弁護士法人Martial Artsにて不動産関係の問題に多数関与。(法律相談、交渉、訴訟、講演等)。
不動産投資DOJOにてコラム執筆中。





3つの不動産取引形態

 

不動産の取引形態は、取引における不動産業者の立ち位置によって、「売主」「代理」「媒介(仲介)」3種類に分類することができます。

 

①「売主」

 

「売主」は、不動産業者自身が不動産を売却する取引形態です。売主による直売で、他に代理や媒介(仲介)する不動産業者が存在しない場合には、仲介手数料等の支払はありません。不動産業者が売主となる場合、当該不動産業者は、最短でも2年間の契約不適合責任を負います(宅地建物取引業法40条、民法566条)。

 

※契約不適合責任は、202041日の民法改正前までは、瑕疵担保責任と言われていました。やや込み入った話もありますが、民法改正―「瑕疵」から「契約不適合責任」へ―という記事でこの点について触れています。関心のある方はご覧ください。

 

一般的な例としては、新築マンションについてデベロッパーが、建売住宅について不動産会社がそれぞれ売主となるといったことがあげられます。

 

1:不動産取引形態①「売主」



②代理

 

「代理」は、不動産業者が売主または買主の代理人となって取引に関与する取引形態です。この取引形態においては、不動産業者が専ら売主側の代理人となっていることが多いです。売主も不動産業者となっている新築マンション分譲時等によく用いられる(代理を行う不動産業者は、売主の子会社であるといったパターンも多いです)一方で、中古物件の売買では、あまり用いられることはありません。

 

2:不動産取引形態②「代理」



③媒介(仲介)

 

「媒介(仲介)」は、不動産業者が売主と買主を引き合わせて、取引が円滑に進むようサポートするような取引形態です。媒介をした不動産業者には仲介手数料を支払う必要があります。中古マンション等を取り扱う際に多くみられる取引形態です。不動産業者は、売主と買主の両方を媒介する場合(両手といいます)も、片方を媒介する場合もあります。

 

3:不動産取引形態③「媒介」


※「媒介(仲介)」は、さらに、専属専任媒介専任媒介一般媒介3種類に分類されます。この点については、今回は立ち入りませんが機会があれば別記事にて解説をしたいと思います。

 

 

取引形態を踏まえた対応

 

取引態様は、広告の法定記載事項(法律で記載しなければならないと定められている事項)なので、広告を見て確認をすることができるほか、物件資料(通常不動産業者から提供されます)を見る、不動産業者に直接訪ねるといった形でも確認することができます。

 

仲介手数料がかかるか否かのみに着目すれば、取引形態としては「売主」を選択することが最善のようにも思えます。

 

しかしながら、必ずしもそうとは言い切れないことがあります。

 

例えば、「売主」の取引形態をとっていても、仲介手数料相当額が物件価格に計上されていることがあるからです。

 

また、「媒介(仲介)」により不動産業者が間に入ることによって公平・公正な取引が実現できることがあります。不動産業者対個人投資家という構造ですと、(特に初心者のうちは、)どうしても力関係や交渉力に差があります。不動産取引の経験に乏しい、条件交渉ができるか不安であるといった場合には、あえて「媒介(仲介)」という取引形態を採用することもひとつの方法といえるでしょう。

 

単に取引形態のみに着目するのではなく、実質的にどのような取引内容になっているかを確認することが大切といえます。

 

※「売主」の不動産業者と「媒介(仲介)」の不動産業者が密接な関係にある場合には、両者の利益が優先されてしまうおそれがあるなど注意が必要な面もありますので、取引の対応に自信がないからといってすぐに「媒介(仲介)」とすることは避けるべきです。不動産投資で成功するにあたっては、最終的にご自身で責任をもって判断していく力が不可欠です。

 

稀に「媒介(仲介)」の取引形態で進行していたところ、不動産業者への仲介手数料を支払うことを嫌って、途中で不動産業者を排除して売主と直接取引を行おうとする方がいます。このような行為は信義に悖るもので、トラブルになることは必至ですし、業界内でのご自身の信用を低下させることにも繋がりますので避けましょう。



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