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重要事項説明書のチェックポイント!

作成日: 2020/09/04 投稿者名:溝口 矢
更新日: 投稿者資格:弁護士(東京弁護士会)
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【執筆者:溝口 矢】
弁護士(東京弁護士会、72期)。
慶應義塾大学法学部・同大学法務研究科卒業。弁護士法人Martial Artsにて不動産関係の問題に多数関与。(法律相談、交渉、訴訟、講演等)。
不動産投資DOJOにてコラム執筆中。





重要事項説明とは

 

重要事項説明とは、宅建業者が仲介業者や売主である場合の契約成立時までに、宅地建物取引士が、取引士証を提示の上、重要事項を記載した書面を交付して行う説明のことです(宅建業法35条)。

略して重説(じゅうせつ)といわれることもあります。

 

不動産取引を専門に業として行う者に、重要な事項を説明することを求めることで、不動産の買主等を保護することが目的とされています。

 

実際の重要事項説明の場面では、淡々と説明されてしまうことも多いですが、買主等の保護のためになされるものですので、不明点や疑問点があれば遠慮なく質問しましょう!

 

 

重要事項説明の流れ

 

重要事項説明は、宅地建物取引士が、宅地建物取引士の免許証を提示したうえで、署名・捺印をした書面を用いて口頭によって行います。

 

このようなステップがきちんと踏襲されているかに注意するようにしましょう。手続を疎かにする業者は、詰めが甘いためにトラブルを引き起こしやすい傾向にあります。

 

重要事項説明においては、①対象となる宅地または建物に直接関係する事項、②取引条件に関する事項、③その他の事項についての説明がなされることとなっています。

具体的な内容については、図1をご参照ください。


1:重要事項説明の主な内容


①対象となる宅地または建物に直接関係する事項

・登記記録に記載された事項

・第三者による対象物件の占有に関する事項

・法令に基づく制限に関する事項

・敷地と道路との関係についての事項

・私道の負担に関する事項

・当該宅地建物が造成宅地防災区域内か否か

・当該宅地建物が土砂災害計画区域内か否か

・当該宅地建物が津波災害計画区域内か否か

・住宅性能評価を受けた新築住宅に関する事項

・アスベスト使用調査の内容に関する事項

・耐震診断に関する事項

・飲料水・ガス・電気の供給施設および排水施設の整備状況に関する事項

・宅地造成または建物建築の工事完了時における形状、構造等の事項(未完成物件)

②取引条件に関する事項

・売買代金に関する事項

・代金・交換差金以外に授受される金銭の額及び授受の目的等の事項

・契約の解除に関する事項

・損害賠償額の予定または違約金に関する事項

・手付金等保全措置に関する事項

・支払金又は預かり金の保全措置に関する事項

・金銭の貸借に関する事項

・割賦販売に関わる事項

・瑕疵担保責任の履行に関する保証保険契約等の措置についての事項

・供託所等に関する事項


重要事項説明書のチェックポイント

 

重要事項説明は口頭でなされるため、その場で対応することは専門知識のある方でも容易ではありません。

 

事前に重要事項説明書の交付を受けて確認することを希望すれば応じてくれる相手方も多いです。可能であれば、口頭での説明前に重要事項説明書に目を通しておくと良いでしょう。

 

重要事項説明書での主なチェックポイントは以下のとおりです。

 

※不動産投資の方針等によって、重要な点は異なってくる場合があります。また、以下に記載されている部分以外にも丁寧に確認すべきポイントが生じ得ます。取引の都度、ご自身で注目すべき点を整理するようにしましょう。

 

①物件の基本事項  ☆物件の特定ができているか?

記載されている面積が正確か、登記簿や公図、測量図などで確認しましょう。また、公簿売買(登記簿の面積に基づいた価格設定)か実測売買(実測面積に基づいた価格設定)かをみたうえで、計算に誤りがないかを確認しましょう。実測売買の場合、決済時に登記簿の面積と実測面積の差額を清算することになるので、精算の基準やタイミングにも気をつけましょう。売買代金額に影響するため大切なポイントになります。

抵当権等が設定されているか確認しましょう。抵当権が設定されている場合には、抹消される時期を確認し、売買契約書にそれを明記してもらうと良いでしょう。

 

②法令上の制限  ☆予定どおりの建物が建築できるか?

住宅を建てられる区域か確認しましょう。

周辺の土地の用途地域及び実際の様子を確認しましょう。

建物の高さや面積等に関する制限を確認しましょう。

建替えや増改築に関する制限を確認しましょう。

上記のいずれも予定している建物が建築できるか否かにかかわるため、大切なポイントになります。

 

③道路  ☆権利関係に問題がないか?

道路と敷地が2m以上接しているか確認しましょう。2m以上接していなければ建物が建てられません。

敷地が接している道路の幅が4m以上か確認しましょう。4m未満ですとセットバックが必要となります。

上記のいずれも物件の利用に大きく関わるため、大切なポイントになります。

 

④インフラ  ☆整備がきちんとなされているか?

電気、ガス、水道設備等に問題はないか確認しましょう。整備が不十分である場合、工事費の負担についても注意が必要です。これらは、物件としての価値や不動産投資のコストに関わるものであるため、大切なポイントになります。

 

⑤土地・建物の状態  ☆物件の利用に問題はないか?

道路からの高さや傾斜、排水設備等について確認しましょう。

・付帯設備表や物件状況確認書と照合して雨漏りをはじめとする建物へのダメージを確認しましょう。

上記のいずれも物件の利用に大きく関わるため、大切なポイントになります。

 

⑥マンション  ☆マンション特有のトラブルの可能性は?

管理形態について確認しましょう。建物管理と入居者管理がどのようになされているかは、不動産投資の成功に大きく影響します。

管理費や積立修繕金の金額、管理規約や修繕計画の内容、共用部分の範囲や使用方法も確認しましょう。

 

⑦代金以外に授受される金銭  ☆過度な負担はないか?

契約時の手付金等につき、その内容や金額を確認しましょう。また、その保全措置の有無や方法にも注意しましょう。金銭面の問題であるため、不動産投資においては、とても重要です。

 

⑧契約解除  ☆円満に解除ができるか?

手付解除、契約違反解除、ローン特約解除のそれぞれにつき確認しましょう。

解除の際の違約金や解除の効果について確認しましょう。

・解除に至る場合、トラブルに発展しやすいため、予測可能性がきちんと担保されていることは大切です。

 

⑨その他  ☆細かな点でも漏れがないように!

瑕疵担保責任・契約不適合責任の内容に問題がないか確認しましょう。

供託所や保険加入の有無等について確認しましょう。

 

インターネットで検索すると、重要事項説明書のチェックポイントがリスト化されたものなども散見されます。

 

それらも参考にしながら、丁寧に内容を確認して、より良い取引ができるようにしましょう。

 


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