コラム Column
弁護士。不動産投資家、格闘家、YouTuberとしても活動。
不動産投資家として、六本木、赤坂、南青山など都心の超一等地に新築RCを複数保有。投資総額80億円。売却益は25億円以上。不動産投資の『堀塾』を運営。
YouTube『堀塾ちゃんねる』のチャンネル登録者数は8万人を超え、Twitterアカウント『堀鉄平@闘う弁護士』のフォロワーは4万。不動産投資の哲学や、人生の成功法則などを発信し続けている。
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ロバート・キヨサキさんの「金持ち父さん・貧乏父さん」(筑摩書房)を読んだことのある方は大勢いらっしゃると思います。
「サラリーマンや自営業では自分が働き続けないと収入がストップしてしまうが、ビジネスオーナーや投資家は自分が働かなくてもお金を稼ぐことが出来る」
この考え方は日本の不動産投資家に大きな影響を与えました。
私も大きく影響を受けました。
雇われ弁護士のサラリーマンから、今では弁護士事務所やジムなどのビジネスオーナーになりました。さらに不動産投資にも挑戦し、投資総額80億円以上、売却益25億円以上を上げられるようになりました。
本日より数回に分けて、「金持ち父さん・貧乏父さんから学ぶ不動産投資」シリーズとして、私なりにお金持ちになる方法を考察していきます。
なお、私のYouTube「堀塾ちゃんねる」でも、「金持ち父さん・貧乏父さん」を特集していますので、よろしければそちらもチャンネル登録してください(YouTubeでは、総括的な内容となっています)。
まず、「金持ち父さん・貧乏父さん」では、人の職業を4つに分けることから始まります。
以下の表です。
図①
この表の左側の職業の人は、時間を切り売りしており、働けば働いた分の収入を得ることが出来るものの、働くことを止めてしまえば収入が途絶えてしまいます。
他方で、右側の職業の人は、自分のビジネスや投資した株・不動産の配当・賃料等で収入を得ることが出来、自分の労働時間とは関係なく収入が入ってくる仕組みが出来ていると言えます。
どちらがお金持ちになるかは明白で、右側の職業に就くことがお金持ちになるための必要な条件です。
この左側の人と右側の人のお金の流れを図で示すと以下の通りとなります。
図②
この図から明らかなように、左側の人は、自分の労働をもとに、給与や報酬等の売上をあげて、必要な経費を支払って(損益計算書=PLに計上します)、残った手取りを資産として貯蓄していきます(貸借対照表=BSに計上します)。
他方で、右側の人は、BSの資産をもとに、配当や賃料等の売上をあげて、(PLに計上しつつも)BSに資産を追加していきます。
イメージは、左側:PL(労働)→ BS(資産)に対して、右側:BS(資産)→ BS(資産)となります。
つまり、左側はPL重視で、右側はBS重視なのです。
ここで、お金持ちになろうというのであれば、労働を増やすのではなく、資産を増やすべきということです。
そして、ここからが本日のポイントですが、資産を増やす際の資産とは、「純資産」のことです。
純資産とは、資産から負債を引いた本当の資産のことを言いますが、いくら資産が大きくても、借金も多くて(フルローンで不動産を購入するなど)純資産が小さい状態であれば、それは当然お金持ちとは言えません。
例えば、資産10億円のメガ大家さんが、家賃収入1億円ありますと言っていたところで、借金も10億円あるとすると、手取りのCFはせいぜい2,000万円~3,000万円です。
しかも、この家賃収入はどんどん減っていきますし、修繕費なども大きくかかってくるタイミングがあります。いざ売却しようと思っても、残債以上で売れる保証は全くありません。そして、金利が少しでも上昇したら「退場」という脆い立場なのです。
借金がなくて、資産が10億円あれば、純資産10億円となり、家賃収入も1億円がそのまま入ってきますので(必要経費はかかります)、お金持ちと言えるでしょう。
ですので、とにかく純資産を増やすことがお金持ちになるために絶対に必要なことです。
そうすると、どのようにすれば、純資産を増やすことが出来るか?という点が命題となります。
答えは、純資産を増やすためには、4つの職業のうち、右上のビジネスオーナーとして、ビジネスで大きく稼ぐか、もしくは右下の投資家として、キャピタルゲインで大きく稼ぐかの、いずれかしかありません。
右下の投資家のうち、インカムゲイン型でコツコツやるパターンですと、純資産を増やすのに時間がかかりすぎます。金融機関への返済が完了するまで20年~30年は必要となりますが、30年先にお金持ちになったところで、遅きに失しますし、そもそも30年も先ですと、その物件に資産価値はあるのでしょうか??という疑問も残ります。(不動産投資におけるインカムゲインは家賃収入、キャピタルゲインは売却益です。詳しくはこちらのインカムゲインとキャピタルゲインの記事をご参照ください)
インカムゲイン型でやるのは、既に十分な純資産があって、純資産をこれ以上拡大する必要がなく、純資産から生み出される果実だけで十分な収入が得られるステージの方(要するに「お金持ち」です)に限定されるべきでしょう。
イメージとしては、純資産5億円ある方が、安全な債権や、都心の新築不動産で、NET利回り3~4%程度を確保して、年間1,500万円~2,000万円程度の収入を得るというのであれば、インカムゲイン型でよいかと思います。
まだお金持ちでない人がインカムゲイン型で投資していても、いつまで経ってもお金持ちにはなれません。
ですので、お金持ちでない人がお金持ちになろうというのであれば、
ビジネスもしくはキャピタルゲイン型投資 → 純資産拡大 → インカムゲイン型投資
という順序を経ることがとても重要です。
私もビジネスとキャピタルゲインで純資産を拡大してきましたので、そろそろようやくインカムゲイン型の投資も組み入れています。最初からインカムゲイン型でやっていたら、ここまで純資産を大きくは出来なかったかと思います。
ここまでは、
という順序を経ることがとても重要と、述べました。
この辺りは、小さくまとまるのか(安定志向)、お金持ちになりたいのか(拡大志向)の考え方の違いになります。
純資産が小さいにもかかわらず、インカムゲイン型投資をする場合、そのインカムゲインで純資産をコツコツ増やしていくことになりますが、それには時間がかかります。
例として投資額1億円の不動産投資をする場合、インカムゲインはローン返済後に年間300万円程度残るのに対して、キャピタルゲインであれば一気に3,000万円程度を獲得できるイメージです。
また、最近の融資情勢に鑑みると、不動産投資で規模拡大していくのは至難の業です。純資産が小さい状態ですと、それ以上融資が受けられない状態になりますので、CF(キャッシュフロー)で年収1,000万円を超えずに終わってしまうかもしれません。
一昔前は、多法人スキームによって、自分の与信を何度も使って規模拡大できましたが、今は難しいです。
ですので、キャピタルゲインで純資産を増やして、次の融資を引いて投資の規模を拡大していく必要があります。
(※宅建業を持っていないかたは不動産の反復継続売買が禁止されていますのでご注意ください。私は宅建業を取得している法人で購入しています。)
ところで、「金持ち父さんの投資ガイド上級編」(筑摩書房)によると、投資家には5つのタイプがあると分類されています。
5種類の投資家については同書を読んでいただければと思いますが、私は、この5つの投資家の中の「究極の投資家」に関する記述を目にして、目から鱗でした。
「究極の投資家」とは「株式を売る側の人」を言います。同書から引用すると、「株式を売る側になることが究極の投資家のゴールだ。このレベルの投資家は成功したビジネスを持っていて、会社の所有権を大衆に売っている。」「株式を売る株主」ということです。
投資と言えば、上場しいている企業の株式を証券会社の勧めで購入することだと思っている人が多い中で、会社を起業してIPOさせて株を売る側は確かに存在します。
私は、会社を起業してIPOするというのは、資金調達の手段と考えていました。多くの人から出資金として資金を調達して、より規模の大きなビジネスを展開していくための手段であると。
ところが、投資家目線でいえば、自分の保有する株式のキャピタルゲインを得る手段という見方もあり、むしろそれをゴールとしている起業家もいるということです。
ですので、最近は、IPOに拘らず、自分の会社を大企業に売却する(M&A)起業家も増えています。
そして、この時の株価がいくらで算定されるかについての算出方法は様々ですが、考え方としては、将来どの程度利益を出すのか?という視点で、現時点の会社の純資産よりも高く評価されます。
年間で300万円のCFを生み出す不動産を売却すると、10倍(10年分)の3,000万円の売却益が得られるのも同じ原理です。
お金持ちになるのであれば、この発想(将来の利益の先取り)はとても重要です。
以下では、私の方でも、不動産投資家を5種類に分類してみました。
①素人大家
金銭的安定を求めて、業者の作ったパッケージ商品を買うスタイル。インカムゲインのみで、キャッシュフローはギリギリ出るか、逆ザヤの場合も。
②専業大家
脱サラ出来るだけのキャッシュフロー。家賃年収3億円以上のメガ大家も存在するが、インカムゲイン中心で、長期的な賃料の減少や修繕費に悩まされる。
③セミプロ投資家
自力でボロ物件を再生したり、土地から新築するなど、自分で価値を創造。持って良し・売って良しの物件に投資し、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙う。
④1人デベロッパー
宅建業者登録済み。土地から新築して、キャピタルゲインを狙う。
⑤究極の投資家
③ないしは④の投資スタイルを組織化して、会社として成長させる。会社の売却が究極のキャピタルゲイン。
不動産投資で言う⑤究極の投資家は、不動産会社を売却することです。私もまだ達成していません。ここを目標にしています。
大事なことは、自分は上記①~⑤のどの種類の投資家になりたいのか?を決めて、そこを目指すということです。
あなたが目指す投資家の種類によって、あなたが築く資産の大きさは決まります。
金持ち父さん貧乏父さんで分類する4つの職業は以下の通りでした。
この表の左側の職業の人は、時間を切り売りしており、働けば働いた分の収入を得ることが出来るものの、働くことを止めてしまえば収入が途絶えてしまいます。
他方で、右側の職業の人は、自分のビジネスや投資した株・不動産の配当・賃料等で収入を得ることが出来、自分の労働時間とは関係なく収入が入ってくる仕組みが出来ていると言えます。
どちらがお金持ちになるかは明白で、右側の職業に就くことがお金持ちになるための必要な条件です。
本日は、この右側の職業の人たちのタイプを詳しく分析していきます
まず、右上のビジネスオーナーにも2種類あります。インカムゲイン型とキャピタルゲイン型です。
インカムゲイン型のビジネスオーナーは、自らの会社を起業して、軌道に乗せ、年間の利益の中から役員報酬や配当を通して、インカムゲインを得ます。
他方で、キャピタルゲイン型のビジネスオーナーは、軌道に乗せた会社を他社に売却します。IPO(株式公開)して、持ち株の一部を市場で売却したり、M&A(合併や買収)をして持ち株の全部または一部を売却することで、多額のキャピタルゲインを得ます。
インカムゲイン型の場合は1年分の利益の中からインカムゲインを得ているのに対し、キャピタルゲイン型の場合は、数年~数十年先に上げるであろう利益を先取りしてキャピタルゲインを得ることになるので、額が大きくなるのです。
前回のメルマガにて、投資家には5段階の種類があり、最も優れた投資家は「究極の投資家」であり、「株式を売る側の人」と説明しましたが、まさにビジネスオーナーのキャピタルゲイン型がこれにあたります。
次に、右下の投資家にもインカムゲイン型とキャピタルゲイン型の2種類があります。
私の提唱する不動産投資クワドラントの左上と左下、右上の一部がインカムゲイン型です。右下は基本的にキャピタルゲイン型です。右上でも、再販業者などキャピタルゲイン型の不動産業者もいます。
そして、投資家の分類においては、インカムゲイン型かキャピタルゲイン型かといった分類のほかに、レバレッジ有りかレバレッジ無しかという分類もあります。
上記の不動産投資においては、インカムゲイン型もキャピタルゲイン型もいずれもレバレッジ有りです。
他方で、レバレッジ無しの投資家も存在します。株式投資や債券投資といった金融商品への投資家です(一部、証拠金取引をするケースを除く)。
そして、この金融商品への投資家もインカムゲイン型とキャピタルゲイン型とに分かれます。
前者は株の長期保有で、後者は株の短期売買をイメージしてください。
以上を整理すると、キャッシュフロークワドラントの右側の職業の人を詳しく分類すると、以下のように整理できます。
「金持ち父さん・貧乏父さん」を読んで、右側に移行するのが必要と分かったとしても、右側の人をこのように詳細に分析しないと、移行のしようがありません。
そして、キャッシュフロークワドラントの右側の職業の人を詳しく分類すると、以下のように整理できました。
①ビジネスオーナー×インカムゲイン型・・年間利益の中から役員報酬や配当
②ビジネスオーナー×キャピタルゲイン型・・IPOやM&Aで自社株の売却益
③投資家×レバレッジ有×インカムゲイン型・・年間家賃収入の中からキャッシュフロー
④投資家×レバレッジ有×キャピタルゲイン型・・不動産の転売で売却益
⑤投資家×レバレッジ無×インカムゲイン型・・金融商品の年間利益の中からの配当
⑥投資家×レバレッジ無×キャピタルゲイン型・・株のデートレード、あるいはエンジェル投資等で、金融商品の売却益
「金持ち父さん・貧乏父さん」を読んで、右側に移行するのが必要と分かったとしても、右側の人をこのように詳細に分析しないと、移行のしようがありませんということでした。
では、上記①から⑥の投資手法について、基本的な考え方・特徴を以下ご説明します。
・ビジネスが得意であれば、投資よりも、ビジネスの方が成長は早い
・資産を拡大していくステージにおいては、インカムゲインよりもキャピタルゲインの方が成長は早い
・自分のビジネスを今後も拡大・成長していく自信のある方は、①ビジネスオーナー×インカムゲイン型でビジネスに集中するとよい
・究極の投資家は②ビジネスオーナー×キャピタルゲイン型で、これが出来る人はこの投資が最も儲かる
・投資で行く場合、最初の塊(自己資金として投下できる現預金)が小さいときには、レバレッジを利かせないとリターンは確保できない
・資産を防衛するステージの方で、相続税を節税する意向のある方は、③投資家×レバレッジ有×インカムゲイン型で、都心の物件を保有して、時価と相続税評価額との評価減を取る必要がある
・③投資家×レバレッジ有×インカムゲイン型で資産を拡大しようと思うと、規模を拡大するほかない
・投資で資産を拡大していくのであれば、④投資家×レバレッジ有×キャピタルゲイン型が最も儲かる(私の都心開発型はこちらです)
・資産を防衛するステージの方で、相続対策は不要と言う方は、⑤投資家×レバレッジ無×インカムゲイン型で、比較的安全な金融商品に分散投資するとよい
・株式投資が得意な人、またはIPOするような企業にエンジェル投資(起業家のスタートアップに必要な資金を提供する投資)してエグジットできるような人であれば、⑥投資家×レバレッジ無×キャピタルゲイン型で集中投資すると儲かる
以上の考え方・特徴に基づいて、一般の方がお金持ちに移行するルールを私なりにまとめると、以下のようになります。
・まず、ビジネスでいくのか?投資で行くのか?投資で行く場合は、不動産でレバレッジを利かせるのか?レバレッジなしで金融商品でいくのか?を選択する
・当初より、キャピタルゲイン型で行ける才覚のある方は、②④⑥のキャピタルゲイン型で一気に資産を拡大する
・そのような才覚のない一般の方は、「持って良し・売って良し」のスタンスで、①③⑤のインカムゲイン型を基本としつつ、機が熟したタイミングで売却を絡めて、①→②、③→④、⑤→⑥とキャピタルゲインで利益確定する
となります。
このように整理して、①~⑥のどのスタイルが自分に合っているのかを見極めて、是非、お金持ちの世界へステップアップしていただきたいと思います。
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