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建築途中で施工会社が倒産した場合、工事代金は保全できるか

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工事代金の保全手段(工務店が倒産した場合)

建築途中で施工会社が倒産した場合、工事代金は保全できるか

計画する事業にぴったりの土地を購入し、そこに収益用不動産を建設しようとお考えの方もいらっしゃると思います。

この場合、土地は売買契約、建物の建設は請負契約を締結することになるはずです。たいていの場合、無事に完成まで至るものですが、トラブルに見舞われるケースもなくはありません。

特に厄介なトラブルの一つが、請負契約を結んだ施工業者の、工事途中での倒産です。そんな事態になったら途方に暮れてしまいますが、施主として取れる対策にはどのようなものがあるのでしょうか。

施工会社の倒産

201911月時点における企業の倒産数は、建設業が142、不動産業が22となっています(東京商工リサーチ「月次 全国企業倒産状況」2019128日「201911月の全国企業倒産数727件」より)。233件となっているサービス業などの業種に比べれば少ないですが、この数字を見る限り、建設工事の途中で業者が倒産してしまうケースは十分あり得る前提で心構えしておくべきかもしれません。

知名度の高いブランドを持つ大手企業なら、会社更生手続きを受けたり、別の大手企業に経営統合されたりして業務自体は継続することが多いと思いますが、中小規模以下の建設会社や施工会社の場合は、業務存続の可能性は小さいと考えた方がいいでしょう。

請負契約は保全措置のための法律がない

土地付き建物の売買契約には、一定条件のもと、手付金の保全措置が義務化されていますが、手持ちの土地に建物を建設する場合は請負契約となり、手付金の保全措置は法律で定められていません。

また、手付金の上限額も、請負契約の場合は法的規制がありません。

残念な話ですが、工事の途中で業者が倒産したら、支払った手付金は戻って来ないことが多いのが実情です。原則的に、たとえ工事が完了しなくても施主は出来高分の費用は負担しなければなりませんから、しかたのないことかもしれませんが、いささか不安になるリスクではあります。

怪しい業者を避ける手掛かり

手付金の支払方法については、住宅建設業界団体のつくったガイドラインが基準になっています。建物の工法や業者によって変わってきますが、手付金の支払方法は3回~5回が一般的。例えば4回支払う場合は、契約時に工事代金の10%、着工時に30%、上棟時に30%または40%、完成時に残代金を支払います。

このガイドラインに沿わず、異様に高額な手付金を要求された場合、その業者はすでに資金繰りが苦しい状態にある可能性が考えられます。そのような業者とは契約を結ばないという判断を下すことも、一つの対策になるかもしれません。

業者倒産後の施主としての対応

経営破綻した業者が破産処理された場合は、事業も清算されます。会社として事業ができなくなるので、工事はストップしてしまいます。

その後、別の業者に工事を継続させるか、請負契約を破棄するかは破産管財人が決定します。

ケースバイケースなので一概には言えませんが、工事を継続してもらえるなら破産管財人に未払金を支払うことになり、契約解除を選択してきた場合は、施主は破産法に則り、前払い金返還請求や損害賠償請求をすることになります。

一方、倒産しても民事再生法や会社更生法の適用を受けて会社再建を目指すケースがあります。このような場合は請負契約が継続するため、完成・引渡しまで至る可能性が高いと言えるでしょう。

「住宅完成保証制度」で工事継続が可能

請負契約における手付金保全は、まったく不可能なわけではありません。有効な手段として知っておきたいのが、「住宅完成保証制度」です。住宅保証機構や住宅あんしん保証などの保証会社が取り扱っています。

これは、建設を担当した業者の倒産などにより工事が中断したとき、施主が最小限の負担で建物を完成させるための仕組みです。保証内容は、施主と業者が交わした工事請負契約の内容で、建設工事を引き継ぐ業者を紹介してくれるとともに、前払い金や追加工事の費用も保証されます。工事が滞ったことで発生した費用は施主が負担する必要がありますが、建物は最後まで完成させることができます。

ただ、保証額には一定の上限があり、業者が「住宅完成保証制度」に登録している必要もあります。

請負契約の締結に際しては、業者がこの制度に登録しているかどうかを調べておくと安心でしょう。もし未登録だった場合、登録するよう要請してみるのも一案です。

まとめ

建物の建設を任せる相手として、倒産の心配が小さい、信頼性の高い建設会社を選ぶことがまずは重要です。また、万一の不運に襲われても、慌てて契約解除などに走らず、専門家に相談しながら、落ち着いて対処するようにしてください。



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