コラム Column

重要事項説明


【相談】重要事項説明書における記載事項や確認する際のポイントを教えてください。

私は、不動産投資の目的で、土地を購入する予定です。

売買契約締結前に、宅地建物取引業者から重要事項説明を受けることになっていますが、どのような事項について説明を受けるのでしょうか。

また、重要事項説明を受ける際に、確認しておくべき事項について教えてください。

【回答】重要事項説明書における説明内容は、大きく3つに区分されており、「対象となる宅地または建物に直接関係する事項」、「取引条件に関する事項」、「その他の事項」になります。

国土交通省のホームページに掲載されている様式によると、重要事項説明書における記載項目は大きく3つに区分され、「対象となる宅地または建物に直接関係する事項」、「取引条件に関する事項」、「その他の事項」になります。

重要事項説明において確認しておくべき事項については、第3項において後述します。

また2020年10月16日に「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」が公表されたことを受けて、サブリースでも重要事項説明が必要になりました。詳しくは「サブリース契約に重要事項説明が必要に!ポイントを弁護士が解説」をご参考ください。

重要事項説明書とは

重要事項説明書(略して、「重説(じゅうせつ)」と呼ばれます。)とは、宅地建物取引業者(以下、「宅建業者」といいます)が購入予定者に対して、購入物件にかかわる重要事項の説明にあたって必要事項を記載したものです

宅地建物取引業法(以下、「宅建業法」といいます)では、売買契約を締結するまでの間に、宅建業者は、購入予定者に対して購入物件にかかわる重要事項の説明をしなければならないと定めています(宅建業法35条)。

宅地業者が、必要事項を記載した重要事項説明書に記名押印し、その書面を交付した上で、口頭で重要事項の説明を行わなければなりません。

不動産に関する契約は複雑なので、契約を結ぶ前に重要な事項について説明を受け、契約内容をよく理解した上で契約するようにという消費者保護や取引保護の観点から、上記規定が置かれています。

重要事項説明書のダウンロード

重要事項説明書の様式は業者により様々ですが、国土交通省のホームページに様式が掲載されていますので、ご参照ください。

重要事項説明書の記載事項

国土交通省の様式によると、重要事項の説明内容は大きく3つに区分されており、「対象となる宅地または建物に直接関係する事項」、「取引条件に関する事項」、「その他の事項」になります。

各区分における記載項目は、以下のとおりです。

「対象となる宅地または建物に直接関係する事項」

  1. 登記記録に記載された事項
  2. 都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限の概要
  3. 私道に関する負担に関する事項
  4. 飲用水・電気・ガスの供給施設および排水施設の整備状況
  5. 宅地造成または建物建築の工事完了時における形状・構造等
  6. 当該宅地建物が造成宅地防災区域内か否か
  7. 当該宅地建物が土砂災害警戒区域内か否か
  8. 当該宅地建物が津波災害区域内か否か 
  9. 石綿使用調査の内容
  10. 耐震診断の内容
  11. 住宅性能評価を受けた新築住宅である場合

「取引条件に関する事項」

  1. 代金および交換差金以外に授受される金額
  2. 契約の解除に関する事項
  3. 損害賠償額の予定または違約金に関する事項
  4. 手付金等の保全措置の概要
  5. 支払金または預り金の保全措置の概要
  6. 金銭の貸借のあっせん
  7. 瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要
  8. 割賦販売に係る事項

「その他の事項」

  1. 供託所等に関する説明

重要事項説明の確認ポイント

各記載事項について、これまでの宅建業者からの説明やパンフレット等における記載により確認していた情報と異なる説明がないか、その他気になる事実がないか等をきちんと確認しましょう。

重要事項説明書において確認すべき事項について、例として、以下のとおり挙げております。ご参考になさってください。

以下の事項に限らず、気になる事実を十分に確認した上で、最終的な判断をなさってください。

「対象となる宅地または建物に直接関係する事項」について

  • 物件の概要について
    →パンフレット等における面積等の情報に食い違いがないか、物件がしっかり特定できているかを確認します。
  • 登記記録に記載された事項について
    →完全な所有権を取得できるか(抵当権等が設定されている場合には、抹消される時期を確認します。)を確認します。
  • 都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限の概要について
    →都市計画法による区域区分や用途地域その他法令上の制限についての説明を受け、その地域にはどんな建物が建てられるのか、および、目的とする用途の建物が建てられるか等を確認します。
    建ぺい率(建築面積の敷地面積に対する割合をパーセントで示したもの。建築面積÷敷地面積×100です。)や容積率(建物延床面積の敷地面積に対する割合をパーセントで示したもの。建物延床免責÷敷地面積×100です。)についての説明を受け、希望する規模の建物が建てられるかを確認します。
  • 私道に関する負担に関する事項について
    私道の権利関係に問題がないか、私道の利用に負担がないか等について、確認します。
    敷地に接する道路の幅と道路と敷地が接する面の長さ等について、確認します。
  • 飲用水・電気・ガスの供給施設および排水施設の整備状況について
    インフラは整備されているか、未整備の場合には、いつまでに誰が整備し、工事費用の負担があるか等について、確認します。
    その他負担金がある場合には、何にいくら必要であるかを確認します。
  • 宅地造成または建物建築の工事完了時における形状・構造等について。
    →建物の建築工事や増改築工事、あるいは土地造成工事などを前提とする売買で、その工事が契約締結時点で完了していない場合には、その形状や構造、設備、宅地の状態、完成時期等を確認します。

「取引条件に関する事項」について

  • 代金および交換差金以外に授受される金額について
    それぞれの目的や、必要な金額を確認します。今後の支払い準備のためにも漏れなく確認しておきます。
  • 契約の解除に関する事項について
    →万が一、契約を解除する場合に備えて、解除の方法や解除にかかわるルールも確認しておきます。契約解除の際にはトラブルが起こるケースもあるため、あらかじめ重要事項説明の段階で確認しておくのが安心です。
  • 損害賠償額の予定または違約金に関する事項について
    →不動産取引は金額が大きいため、違約金、損害賠償額の金額も大きく、契約解除と併せてトラブルになる場合がありますので、事前にしっかりと確認しておきます。
    その他、重要事項説明書に列挙されていない事項であっても、重要な事項については、従前の情報と相違がないかについて、逐一丁寧にご確認ください。
    たとえば、ご相談者様のように、土地の購入を検討されている場合、以下のような事項が考えられます。
  • 隣地との境界がはっきりしているか。
  • 水はけがよいか、地盤に懸念がないか。
  • 土壌が汚染されている可能性がないか。
  • 周辺に悪臭、騒音等の発生源がないか。
  • 交通接近条件(最寄駅・バス停等との距離、生活利便施設等)の状況に問題がないか。
  • 環境条件(日照・眺望の良否、周辺地域の利用状況等)に問題がないか。

もし不動産に関連したトラブルなどに遭ってしまった場合は、弁護士などの専門家に相談することをオススメいたします

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