コラム Column

【弁護士解説】マンションの配管から水漏れした場合の修繕責任はどうなるのか?


【相談】自室の床下で水漏れが生じた場合の責任の所在を教えてください。

私は、マンションの1室・903号室を所有していますが、階下の803号室の居住者から、天井から水漏れが発生しているとの苦情が入りました。

すぐに、業者に水漏れの原因を調査してもらったところ、903号室の排水管の劣化が原因であると分かったため、私は修繕を行い、修繕費23万円を支払いました。

しかし、排水管は903号室の床下のコンクリートスラブのさらに下に位置しています。

このような場所に設置されている排水管は、管理組合が管理すべきであると思いますが、私は管理組合に対し、修繕費用を請求できるでしょうか。

【回答】躯体部分であるコンクリートスラブ等の「共用部分」に原因がある場合には,所有者は責任を負いません。

過去の判例から、専有部なら所有者の責任となりますが、共有部なら所有者の責任とはなりません。

コンクリートスラブより上にある場合は専用部として所有者の責任となり、コンクリートスラブより下の場合は共有部として管理組合の責任との判例があります。

マンションの共有部にある配管から水漏れした場合、所有者に責任はありません

共有部からの水漏れの場合、ご相談者が管理組合に対し修繕費用を請求することは、原則として可能です。

責任の所在の判断基準と法的根拠

区分所有法19条は、「各共有者は、規約に別段の定めのない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じる」と規定しています。

また、管理規約では、通常、「共用部分の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。」という規定が置かれています。

賃借人と管理組合のいずれが修繕責任を負うかについては、修繕箇所が「共用部分」であるか「専有部分」であるかによって、決まります。

排水管が「共用部分」と「専有部分」のいずれに該当するかに関して、以下の裁判例が参考になります。

(1)排水管が「共用部分」であると判断された事案(最高裁平成12年3月21日判決)

本事案においては、(水漏れの原因となった)「707号室の台所、洗面所、風呂、便所から出る汚水については、同室の床下にあるいわゆる躯体部分であるコンクリートスラブを貫通してその階下にある607号室の天井裏に配された枝管を通じて、共用部分である本管に流される」という構造になっていました。

裁判所は、「本件排水管は、コンクリートスラブの下にあるため、707号室から本件排水管の点検、修理を行うことは不可能であり、607号室からその天井の裏に入ってこれを実施するほか方法はない。」点を重視し、本件排水管が「共用部分」に当たると判断しました。

(2)排水管が「専有部分」であると判断された事案(福岡高裁平成12年12月27日判決)

この事案における管理規約には、「電気設備、給排水衛生設備、防火設備、その他各種の配線、配管等(天井、床及び壁のうちに存するもので、躯体部分内に存するものは、専有部分内でも共用部分とする)」との定めがありました。

裁判所は、「漏水事故の原因となった本件排水管は」(床スラブの上の)「床下空間部分に存したものである」点を重視しました。

そして、「床下排水管は床スラブ内に存する部分は共用部分であるが、床とスラブとの間の空間に存する部分は区分所有者の専有部分であると解するのが相当である」と述べ、本件排水管が「専有部分」に当たると判断しました。

なお専有部分の立ち入りについては、「マンションの修繕工事のために専有部分に立ち入ることができる?」で詳しく解説されていますので、気になる方は是非ご参考ください。

今回の事案における考え方

ご相談の状況と異なり、仮に、水漏れ事故の原因となった排水管が、コンクリートスラブより上である場合、その排水管は、903号室の専用に供されている枝管であるため、903号室の「専有部分」であると判断され得ます。

この場合、排水管の修繕費用はご相談者が負担することになります。

ご相談の状況のように、水漏れ事故の原因となった排水管が、コンクリートスラブより下である場合、903号室の専用に供されている枝管であったとしても、903号室から点検・修理を行うことは不可能であることが重視され、マンションの「共用部分」になると解されます。

この場合、上述のおとり、修繕費用は管理組合が負担することになります。

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