コラム Column

マンションの総会で白紙委任状をカウントした管理組合総会決議は無効になるか


【相談】いわゆる白紙委任状をカウントした総会決議は無効ではないのでしょうか。

私のマンションの管理組合の総会では、いつも役員のほかに数人の組合員しか出席していません。それにもかかわらず、決議が成立しています。このような決議は有効なのでしょうか。

また、総会においてペットの飼育を禁止する管理規約の改正の決議が行われ、改正案が可決されました。

今回の決議には、50名以上の賛成が必要であるところ、総会に出席して賛成した者は20名に過ぎず、残りの30数名は、だれを代理人とするかの記載すらないいわゆる「白紙委任状」であったようです。

このような白紙委任状をカウントした決議は有効なのでしょうか。

【回答】委任状の文言や委任状に添付された資料等により、当該委任状が無効であるかどうかが判断されます。

なお総会決議の種類や方法について知りたい方は、当コラム「マンションの大規模修繕【弁護士が総会決議の方法と種類を解説】」にて解説されていますのでご参考ください。

組合員が未出席でも管理組合総会決議が無効になるわけではない

管理組合の総会における議決権は、組合員本人が総会に出席して自ら行使するのが原則です。

しかし、組合員本人が総会に出席しないで、書面または代理人によって議決権を行使することも認められています。

したがって、組合員のほとんどが実際に出席していないからといって、管理組合の総会決議が無効となるわけではありません。

建物の区分所有等に関する法律39条2項において、「議決権は、書面で、又は代理人によって行使することができる。」と規定されています。

組合員本人が管理組合の総会に出席できない場合も考えられるため、組合員には「書面」または「代理人」による議決権の行使が認められています。

「書面」による議決権の行使とは、組合員が総会には出席せず、総会の開催より前に、各議案について賛否を記載した書面(議決権行使書)を提出することによって、組合員本人が議決権を行使することをいいます。

「代理人」による議決権の行使とは、組合員本人から代理権を授与された代理人が総会に出席して議決権を行使することをいいます。

なお、書面または代理人による議決権の行使は、建物の区分所有等に関する法律に基づく組合員の権利であり、管理規約等でこれらの議決権の行使を否定することは許されません。

代理人指定のない白紙委任状でも認められる

だれを代理人とするかの記載のないいわゆる白紙委任状は有効なのでしょうか。

委任状の書式において、「委任状で代理人の指定が記入されていない場合は、議決権の行使は議長に一任されたものとさせていただきます。」等の注記の記載がある場合には、だれを代理人とするかの記載がなかったとしても、注記どおりの意思であると認められます。

そうすると、白紙委任状の提出を受けた議長等において受任者を適宜に選択することができます。

仮に上記のような注記の文言がなかった場合、横浜地判平成3年12月12日の裁判例が参考になります。

白紙委任状が有効とされた判例

この事案では、「私は、〇年〇月〇日開催の臨時総会における議決権の行使を総会議長、または、(   )氏に委任いたします。」という文言と日付、委任者の氏名、部屋番号の記載があるだけの総会決議の委任状の有効性が問題となりました。

ペット飼育を禁止する管理規約の改正の決議が行われた件に関して、同決議には20名以上の賛成が必要であるところ、総会に出席して賛成した者は9名であり、残りの13名はいわゆる白紙委任状であり、かかる委任状は法律上無効であると被告側が主張しました。

なお、被告側は、受任者のみならず、委任事項までが全部白紙委任されているとも主張していました。

裁判所は、事前に送付された総会招集通知には委任状とともに議案の要領として「管理規約の改正について」の書面や改正後の新規約の案が添付されていたことを認め、従前の経緯から総会議長を代理人とすると新規約に賛成の議決権行使が予測できるという前提のもとに委任者は上記委任状を提出していると認定しました。

そして、上記委任状について、受任者および委任事項とも白紙であるとはいえないと述べ、総会決議は有効であると判断しました。

白紙委任状によるトラブルを防ぐためには

トラブルを防止するという観点からは白紙委任状は好ましいものではありません。

例えば、上記のとおり、委任状の書式において、少なくとも、「委任状で代理人の指定が記入されていない場合は、議決権の行使は議長に一任されたものとさせていただきます。」等の注記の記載をしておくことが望ましいでしょう。

また、国土交通省作成の「マンション標準管理規約(単棟型)コメント」において、白紙委任状が提出された場合のトラブルを防止する観点から、たとえば、委任状の様式等において、委任状を用いる場合にはだれを代理人とするかについて主体的に決定することが必要であること、また、適当な代理人がいない場合には代理人欄を空欄とせず議決権行使書によって自ら賛否の意思表示をすることが必要であること等について記載しておくことが考えられると紹介されています。

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