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不動産運営としてのリノベーション

作成日: 2021/03/12 投稿者名:溝口 矢
更新日: 投稿者資格:弁護士(東京弁護士会)
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【執筆者:溝口 矢】
弁護士(東京弁護士会、72期)。
慶應義塾大学法学部・同大学法務研究科卒業。弁護士法人Martial Artsにて不動産関係の問題に多数関与。(法律相談、交渉、訴訟、講演等)。
不動産投資DOJOにてコラム執筆中。





不動産投資においてリノベーションを行うことの意義についてご説明して参ります。

 

一見するとリノベーションを行うことは、不動産の価値を高めるものとして不動産投資においてプラスになるようにも思えます。しかしながら、現実にはリノベーション費用に比して利益が上がらず、費用倒れになってしまうことも少なくありません。

 

そこで、リノベーションのメリット・デメリット等を踏まえながら、どのような場合にリノベーションをするのが良いかについてご説明して参りたいと思います。

 

 

リノベーションとは?

 

リノベーションとは、物件に新たな価値を生み出すことを目的とする改修のことをいいます。これに対して、リフォームとは、物件の古くなった部分を修繕することをいいます。

 

両者の線引きは実際のところ曖昧な部分もありますが、この記事では、以上の定義を前提にした説明を行います。

 

リノベーションの定義からもお分かりいただけるかもしれませんが、リノベーションによって不動産投資家が目指すのは、物件への付加価値の付与(相場よりも高い物件にすること)であるといえます。

 

必ずしもリノベーションありきの不動産投資を推奨するものではありませんが、仮にリノベーションを行うことをオプションのひとつとして考えるのであれば、購入する物件の選択肢は増えることになるでしょう(下記⑵①参照)。

 

 

リノベーションのメリット

 

①物件価格を抑えることができ、空室リスク対策等にも繋がる

 

リノベーションを行うのであれば、当然、中古物件を購入することを視野に入れることになるでしょう。中古物件の購入により物件価格を抑えたうえで、リノベーションによって新築物件に近いところまで価値を高めることができれば、新築物件を購入するよりも利益を得られるかもしれません(参考記事「新築物件への不動産投資」)。

 

さらに、中古物件をリノベーションによって魅力的な物件へと再生することができれば、ある程度の家賃であっても入居者がつきやすくなり、空室や家賃下落のリスクを低減することができるという点も魅力といえるでしょう。

 

 

②立地条件の良い物件を見つけやすい

 

昔からある物件ほど、好立地のところに建っていることが多いとされています(良い場所は誰もが欲しがりますから、当然のことではありますが)。

 

そのため、立地条件の良い中古物件を購入し、リノベーションにより付加価値を創出すれば、他の物件と差別化を図っていくことも可能といえます。

 

 

リノベーションのデメリット

 

①リノベーション自体にお金と時間がかかる

 

リノベーションには決して安くないお金が必要となります(規模にもよりますが、1000万円近くになることも少なくありません)。また、リノベーション工事を行っている間は、入居者を入れることができず、その間の賃料収入は発生しません。こうした点にも十分注意し、採算が上がるかを検討したうえでリノベーションを前提とした物件探しをする必要があるといえます。

 

 

②需要がなければリノベーションを行った意義がなくなってしまう

 

いくら魅力的なリノベーションを行っても、入居者がつかなければ意味がありません。そのため、物件の選定やリノベーション戦略がとても重要であるといえます。

 

 

リノベーションをするか否かのポイント

 

簡単にいえば、上記のデメリットを超えることができる場合に、リノベーションを前提とした不動産投資を行うことについて一考の価値があるといえます。

 

①投下資本を回収できるか?

 

リノベーション費用以上に利益を獲得できるかも確認する必要があります。賃料をどれくらい高く設定できるようになるのか、空室リスクをどれくらい抑えられるか、物件売却時の価格がどれくらい増加するか、減価償却費をどれくらい計上できるかといった点を考えると良いとされています。

 

②そもそもリノベーション物件の需要があるか?

 

購入しようと考えている地域においてリノベーション物件に需要があるかをまず検討しましょう。

 

リノベーション物件は、見た目が華やかであったりするものの、建物として備えているべき基本的な機能については、他の物件と相違ありません。そこで、リノベーションによって生み出された洗練された内装や外観等の付加価値のついた物件に高い賃料を支払ってでも入りたいと考える入居者がどれくらいいるのかを、予め良く調査・検討する必要があります。

 

この需要を見誤ってしまうとリノベーション費用が全て水の泡ともなりかねないので十分に注意しましょう。

 

ワンポイント リノベーションをする際の物件選び

リノベーションにも限界があります。窓や天井、水回りについては、リノベーションでは対応が難しいことが多いので十分な注意が必要です。また、マンションでは専有部分以外のリノベーションはできませんし、戸建物件でも建築基準法や条例等による制限がある場合があります。

 

また、管理規約の問題は、リノベーションでは解決できない部分です。ペット飼育の可否等、入居者が重視し得る管理規約にも注目すると良いでしょう。

 

さらに、物件の築年数も気にするようにしましょう。大規模修繕や耐震補強が必要となれば、リノベーションどころではなくなる可能性もあります。



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