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不動産投資で相続税対策?!

作成日: 2020/05/21 投稿者名:溝口 矢
更新日: 投稿者資格:弁護士(東京弁護士会)
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【執筆者:溝口 矢】
弁護士(東京弁護士会、72期)。
慶應義塾大学法学部・同大学法務研究科卒業。弁護士法人Martial Artsにて不動産関係の問題に多数関与。(法律相談、交渉、訴訟、講演等)。
不動産投資DOJOにてコラム執筆中。





今回は、不動産投資によって相続税対策ができる仕組みにつきご説明いたします。

 

相続税の計算

 

相続税は、次の図1のような流れで計算されます。

 

図1:相続税の計算

 


 

基礎控除額とは、相続税を支払う基準となる金額のことをいいます。被相続人の遺産の評価額が基礎控除額以下であれば、相続税は発生しません。

 

3000万+600×法定相続人の人数

 

という計算により算出されます。

 

 

資産の圧縮(資産の組み換え)

 

資産の圧縮(資産の組み換え)は、図1のうちの部分に関する話になります。

 

不動産評価額は、時価(実際の価格)よりも低い価格が算出されることが多いです。このような不動産評価額に基づいて相続税が計算されるため、結果的に節税に繋がるのです。

 

たとえば、Xさんが現金5000万円を持っていたとします。Xさんの相続人はXさんの子Yさん1人のため、基礎控除額は3600万円(=3000万円+600万円×1)です。

 

現金5000万円をそのままにしてXさんが亡くなった場合、資産評価額は5000万円となり、これがそのまま遺産額となります。そこから、基礎控除額3600万円を差し引いた1400万円が相続税のかかる資産であり、これをもとに算出される相続税は160万円です。

 

これに対し、Xさんが現金5000万円で投資用として3000万円の建物と2000万円の土地を購入した後に亡くなった場合、不動産評価額は3100万円(=3000万円×50%+2000万円×80%)とされ、さらに投資用不動産は居住用不動産よりも評価額が低くなる()ので、投資用不動産評価額は2010万円(=3000万円×50%×70%+2000万円×80%×60%)とされます。そして、この投資用不動産評価額が遺産額となるところ、基礎控除額3600万円を超過しないため、相続税のかかる資産はないということになります。当然、相続税は0円です。

 

※投資用不動産が居住用不動産よりも評価額が低くなるのは、建物については借家権、土地については貸家建付地の評価減が生じるからです。上記の例では、借家権の評価減を70%、貸家建付地の評価減を60%として計算しています。

 

このように資産の形を現金から不動産に変えることで、節税を図ることができます

 

 

図2:資産の圧縮のイメージ

 


 

※不動産評価額は、時価(実際の価格)よりも低い価格が算出されるのが一般的ですが、例外もあります。たとえば、事故物件です。市場価格は低いのに対し、事故物件であるという事情は不動産評価額には影響しないために時価よりも高い不動産評価額となることがあります。他には、田舎の土地があげられます。時価(実際の価格)が路線価を下回ることが多いからです。

 

 

借入金による相続税対策

 

借入金による相続税対策は、図1のうちの部分に関する話になります。

 

借入金は相続財産評価額から控除できるので、不動産の取得にあたって借入をすることも相続税対策となるのです。

 

たとえば、Zさんが現金で1億円持っていたとします。不動産評価額を仮に物件価格の80%として次の2つの場合を比較してみましょう。

 

※この例では、計算を分かりやすくするために投資用不動産評価額の話は省略します。

 

Zさんが現金1億円で1億円の不動産を購入した場合、不動産評価額は8000万円となり、これがそのまま遺産額として扱われます。

 

これに対し、Zさんが現金1億円に加え、さらに1億円の借入をして、2億円の不動産を購入した場合、不動産評価額は16000万円となり、そこから借入金の1億円分が控除されるので、遺産額は6000万円として扱われます。

 

後者の方が、2000万円も遺産額(=相続税の課税対象)が少ないですね。

 

このように不動産の取得と借入の組み合わせることによって、更なる相続税対策をすることができます。

 

 

さいごに

 

不動産投資による相続税対策の仕組みがお分かりになったでしょうか?

 

不動産投資は、資産を増やすという側面に注目されがちですが、上手に活用すれば、資産を守ることにも繋がるという側面があることも是非覚えておいてください。



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