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不動産投資には宅建業免許が必要か?【弁護士が解説】


【相談】不動産投資にあたって宅建業免許取得が必要でしょうか。

不動産投資をするにあたって宅建業の免許がなくても問題ないと聞いたことがあるのですが、免許の取得は必要なのでしょうか。

【回答】純粋なインカムゲイン目的や真に1回限りの売却の場合を除き、宅建業免許取得が必要です。

宅建業免許の要否の結論は不動産投資の目的によって変わる

不動産投資をするにあたって宅建業の免許の取得が必要かどうかは、ご自身の不動産投資の目的がキャピタルゲイン目的なのかインカムゲイン目的なのかによって結論が変わってきます。

キャピタルゲインとインカムゲインについては以下の記事をご参考ください。

 

まず、前提として、宅地建物取引業を営む者は、事務所の設置区域に応じて国土交通大臣又は都道府県知事の免許(以下「宅建業免許」といいます。)を取得する必要があり(宅地建物取引業法(以下「宅建業法」といいます。)3条1項)、宅建業免許がない者は宅地建物取引業を営んではいけません(宅建業法12条1項)。

これに違反すると3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその両方という罰則があります(宅建業法79条2号)。

この宅建業免許が必要な「宅地建物取引業を営む者」の解釈について、最高裁判所の判例(最決昭和49年12月26日刑集28巻10号833頁)では、「営利の目的で反復継続して行う意思のもとに」宅地又は建物の売買等をする者と考えられています 。(※)

「反復継続して」については、現在の状況のみならず、過去の行為や将来の行為の予定とその蓋然性も含めて判断されますので、物件の売却が初めてだからといって、それだけで反復継続性がないと判断されることにはなりません。

では、不動産投資の場合はどうなのでしょうか。

(※)上記最高裁判所判例と国土交通省の解釈方法(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方について)は厳密には異なりますが、検討方法が異なるだけで、結論に大差はないと考えられます。

インカムゲイン目的なら不要、キャピタルゲイン目的なら必要

まず、物件の大家として純粋なインカムゲイン目的なのであれば、物件の売却により利益を得るわけではありませんので、宅建業免許の取得は必要ありません

他方、転売益によって利益を得るキャピタルゲイン目的で不動産投資を継続的に行っていくのであれば、転売益目的で反復継続的に物件を売却しますので、宅建業免許の取得が必要です。 

ただし、キャピタルゲイン目的でも、物件を1回売却するだけで、その後は不動産投資自体行わないとか、他はインカムゲイン目的だけだという場合であれば、反復継続的に売却益を得るわけではありませんので宅建業免許は不要です

上記のように、純粋なインカムゲイン目的であれば宅建業免許は不要ですが、多くの不動産投資家の方は、まずはインカムゲインを目的としていても、出口戦略として物件の売却まで考えていると思います。複数の物件を所有していると、様々な事情により近接したタイミングで複数の物件を売却することも考えられるところ、この場合反復継続して宅地建物取引を行ったとして無免許営業だと判断されかねません。

インカムゲイン目的でも、今後物件を売却する可能性があるのであれば、宅建業免許取得を検討したほうがいいでしょう。

無免許で物件の売却を繰り返すのは違法

ここまでお読みいただいて、「でも、周りには宅建業免許を取得せずに物件を売却して問題なさそうな不動産投資家もいるのに…」と思われるかもしれません。

確かに、無免許で物件の売却を繰り返していても、取り締まりを受けていない人もいます。しかし、これは無免許営業を取り締まる側に人的資源が少なく、事実上放置されているにすぎません。法的に違法な行為を行っていることには変わりはないのです。

このような人は、今は大丈夫であっても、今後取り締まりを受けた場合は罰則を受けることになっても仕方がありません。

違反した場合は3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその両方という罰則が用意されている以上、このリスクを軽く見ることはできません。不動産投資で物件の売却を行うのであれば、やはり宅建業免許を取得すべきです。

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