不動産投資講座 Knowledge
弁護士(東京弁護士会、72期)。
慶應義塾大学法学部・同大学法務研究科卒業。
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出口戦略の大切さ
不動産投資は、①購入、②管理、③売却という3つの段階に分類することができます。
図1:不動産投資の3つのフェーズ
今回は、このうち、③の売却に関わる出口戦略(不動産投資の最初から最後までをトンネルを通過している状況に例えたとき、不動産を売却することは、トンネルの出口から抜ける瞬間にあたるため、このようにいいます)についてご説明いたします。
投資の時点で不動産の売却価格を予測することは容易ではありません。
また、不動産投資を始める際、どうしても投資家としては、不動産の獲得に目が行きがちになってしまいます(これ自体は決して悪いことではありません)。
しかしながら、不動産を最終的に売却するところまでが不動産投資ですから、購入予定の不動産をどのように売却するのか、どのくらいの価格で売却したいのか、予め良く考え、当該不動産投資の収益性を推しはからなければ、ギャンブル性が高まってしまいます。
そのため、出口戦略をしっかりと検討することは重要といえるでしょう。
※不動産の売却時に、当該不動産投資によって最終的に利益が生じたのか、それとも、損失が生じたのかが確定します。詳細は、下記をご参照ください。
※業として不動産を売却するためには、宅建士の資格が必要となるなど注意点がございます。
出口戦略を検討する際には、売却時期を複数想定して、それぞれについて収益のシミュレーションを行うと良いです。売却時期ごとの収益の変化を見て、適切な売却時期がいつなのかを判断したり、そもそも利益が生じるのかどうかを判断したりすることになるでしょう。
※シミュレーションの際の着眼点の例:「いつまで当該不動産が収益物件として魅力を持っているといえるか?」
賃料収入が順調に入ってきている場合には、不動産を持ち続けるほど、インカムゲインは大きくなりますが、不動産の保有期間の長さゆえに、不動産の価格が下落し、十分なキャピタルゲインを確保できなければ、全体でみると当該不動産投資によって利益を得られなかったということにもなりかねません。
不動産の買いどきや売りどきは、プロの方でも判断に迷うことが少なくありません。
そのため、結果的に見て、最も適切なタイミングで不動産の購入や売却をすることは至難といえますが、一般的なポイントを押さえておき、できる限りベストに近いタイミングで不動産の購入や売却ができるよう努めましょう。
①底値や天井値に固執しない
不動産を底値(最安値)で購入することや天井値(最高値)で売却することにこだわりすぎないようにしましょう。これらの値にあたるか否かを判断することは、不動産に日々関わっているプロの方でも容易ではありません。ある程度の長さの期間に照らし合わせて見て、相対的に不動産の価格が安いといえれば購入、高いといえれば売却くらいの感覚を持つことが大切といえるでしょう。
特に売却時のタイミングには注意しましょう。物件価格は、上昇しているときは緩やかであるのに対し、下落するときは急激であることが少なくありません。売却のタイミングを逸してしまうと、投資の成功が揺らぎかねません。
②不動産も景気に左右される
不動産も他の商品等と同様に景気によって価格が左右される部分があります。
景気の変動には、注意するようにしましょう。
※例えば、新型コロナウイルスの影響下では、営業自粛による空室の増加等により事業用物件の賃貸需要が減少したために、事業用物件の価格が下落している傾向にあります。世の中の状況や景気も不動産投資においては重要な考慮要素といえます。
③ローンの金利が低いときは買いどき
金融機関からの融資を引く際、金利が低いほど、投資家は利益を上げることができるようになります。そのため、ローンの金利が低いときは、不動産の買いどきといえるでしょう。
※変動金利を採用した場合には、定期的に利率が見直されるため、景気が良くなった場合に金利が上昇するリスクがあることには注意が必要です。
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