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賃貸中不動産の立ち退きについて

相談者No.76
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売却をしたい物件があり、現在使用中の会社に買う意思はないかと打診をしていたのですが、コロナの影響などで慎重になっているらしく話がなくなってしまいました。

売却のためには立ち退いてもらえないと不都合なのですが、現在土地貸しとして運送会社のトラックなどを止めており、元からあった家屋は事務所としてリフォームして使用しています。家屋に関しては賃貸契約はなく元からあったものを使って良いかと言われたので使用して良いとしています。

契約書には駐車場としての土地の一括貸しで借地借家法は適用されないと記載されていますが、事業を営んでいるのでどのように立ち退いてもらうように打診すれば良いか悩んでおります。

この辺りの進め方をご教授いただけないでしょうか?

よろしくお願いします。

森 春輝

森 春輝 弁護士(第二東京弁護士会)

ご相談内容からしますと,駐車場の土地上にある家屋も相談者様が所有されており,土地賃借人に家屋も無償で使用を許しているものと予想します。
これを前提に回答させていただきます。

まず,土地の賃貸借契約は駐車場目的ですので,建物所有を目的としない土地賃貸借契約といえます。
土地上の家屋について,無償で貸与していたということであれば,家屋については使用貸借と評価されるでしょう。
建物所有を目的としない土地賃貸借や建物の使用貸借には借地借家法の適用はありませんので,正当事由がなくとも解約申入れが可能です。
土地の賃貸借契約書の中で賃貸人からの解約申入れについても定めていると思いますので,その契約条項に従って解約申入れすれば足ります。
仮に解約申入れについて賃貸借契約で定めていなかった場合,期間の定めがある場合は期間満了により,期間の定めがない場合は解約申入れから1年経過することにより契約が終了します。
賃借人が事業を営んでいることは特に影響ありませんが,代替地の確保が難しい場合は解約に抵抗されることも予想されます。
その場合は,ある程度の猶予期間を与えたほうが交渉がスムーズになる可能性があるでしょう。
なお,家屋について賃貸借契約書を取り交わしていなかったとしても,家屋使用の対価を受け取っていたり,土地の賃料算定において家屋使用分を考慮していたりする場合は,家屋分についても賃貸借と評価される可能性がございます。
※この投稿は、2020年08月17日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。

相談者No.

76

ご返信ありがとうございます。

建物についてはボロボロだったので、勝手にリフォームして使っても良いかとのことだったので許可しました。それなりにリフォーム代などもかかっているかと思いますがそれも特に影響はありませんか?

またもし期間を設けた立ち退きについての交渉をする場合はどのような手順で進めるとスムーズに行く可能性が高いでしょうか?ある程度の規模なので弁護士など第三者を立てた方が良いでしょうか。
森 春輝

森 春輝 弁護士(第二東京弁護士会)

借主が建物をリフォームして建物の価値が上がったのであれば,目的物の返還時に,借主は貸主にその分の償還を請求することが可能です。
ですので,退去時に借主からリフォームによる建物の価値増加分を請求される可能性はあります。

解約申し入れの手順としては,後に争いになった場合に証拠とするため,書面にて契約解約といつまでに明渡すべきかを通知することから始めます。
ただ,契約違反などがあるわけではないので,一度書面を送付したあとは,直接会ったり,電話等で先方の意見を聞きながら任意に退去してもらえるよう話し合いをしていくべきでしょう。

借主との信頼関係が失われている場合は最初から弁護士に依頼する方がよいですが,そうでない場合は弁護士からの通知により先方が身構えてしまうことも考えられるため,最初はご自身で連絡してみることもあり得ます。

もっとも,契約内容や具体的な事実関係によっては方針や戦略が異なってきますので,契約書等の資料を用意して一度弁護士に相談することをおすすめいたします。
※この投稿は、2020年08月25日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。
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