現時点で、不動産の所有権の放棄の可否について明確に定められた法律やこれに関して判断をした判例がございません。また、学説も十分な議論がなされているとはいえない状況です。そのため、非常に難しい問題として考えられているところです。
不動産の所有権を放棄するために考えられる方法としては、
⑴売却する(民法555条)
⑵相続放棄をする(民法939条)
の2つがあげられます。
⑴の方法によることは、ご質問からして難しい状況と思われますが、時間経過による資産価値の減少、固定資産税や管理費等の継続的な出費、様々なトラブルが生じた時のリスク等を踏まえますと、現時点より低額の設定でも販売する方が良いと判断できないか再検討する意義は大きいといえます。
⑵の方法は、リゾートマンションの所有者である親御様がお亡くなりになった場合に行うことになります。
相続放棄は、相続財産すべてを対象としなければならないので、他に相続したい財産がある場合には踏み切りづらいというデメリットがあります。ただし、相続したい財産の生前贈与や遺贈を受けるといった形でカバーできるのではないかという旨の指摘がされており、柔軟な対応ができる可能性がございます。
なお、所有している不動産がリゾートマンションの建物のみ(土地は所有していない)ということであれば、リゾートマンションを取り壊して、所有の対象自体をなくしてしまうという考え方もあるところです。しかし、住人の存在や解体費用等のコストを考えますと軽々に取り得る手段ではないでしょう。
具体的な対応策を考えるにあたっては、以上のことを前提に、様々な要素を考慮したうえでの総合的な判断が必要となりますので、専門家への相談をおすすめいたします。
※この投稿は、2020年03月04日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。