相談 Consultation

家主の修繕義務について

相談者No.89
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いつも拝見しております。
賃貸契約の事で相談させてください。

賃貸物件を借りている側の立場としての法律相談となります。
家主は大手法人で、そこから築15年程度のマンションを賃貸しておりますが、
下水の配管に不具合があり、自室に異臭が漂うことが頻発しております。

原因は、洗面・台所等の下水管の封水部分が何らかの理由により吸い取られてしまい、下水管の臭いが部屋に上がってきてしまう事までは分かっています。
おそらく、建物の構造(排水管の吸気口)に原因があると思われ、
ビルの構造を修繕する大がかりな作業が必要と思われます。

そのことを家主側に伝えているのですが、家主側の対応が悪く、
問題を解決してもらえません。
「次の排水管清掃が3か月後に有るからそれまで待ってくれ」、「建物の構造を業者に確認させるから待ってくれ」等と言われ、
時間をかせがれ、問題解決してもらえずにいます。
その間、毎日、異臭に悩まされ生活をしています。

このような場合、何かしらの法的措置を訴えることは出来るのでしょうか。
損害賠償などを請求することや、家賃減額を請求すること等出来るもののでしょうか。

このような件の対応方法につきまして、ご回答いただけますと幸いです。

宮川 敦子

宮川 敦子 弁護士(東京弁護士会)

 賃貸借契約書において問題箇所の修繕義務を負うのが,賃貸人・賃借人のいずれとなっているのかが不明ですが,以下においては,問題箇所の修繕義務を負うのが賃貸人であるものと仮定して,回答させていただきます。
 裁判例では,異臭等により実際に何らかの損害(健康被害,動産の損傷等)が生じている場合には,慰謝料を含め,損害賠償請求等が認められる場合があります(実際に損害が生じていない場合には,認められない傾向にあります。)。
 そして,賃貸人が修繕義務の履行を遅滞した事情は,損害賠償額を決定する際の一事情になり得ます。
 なお,賃料減額については,賃貸借契約書において特約があれば別ですが,民法においては,「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合」(611条)に認められます。
 つまり,滅失等により使用不能の状態であることが必要ですので,極めてハードルが高いといえます。
※この投稿は、2020年08月11日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。

相談者No.

89

早速にご回答頂きまして誠にありがとうございます。

慰謝料・損害賠償は認められる場合がある事、賃料減額はこの場合難しい事と認識しました。
まずは、家主に対して粘り強く交渉、請求を続ける事かと感じました。
ありがとうございました。
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