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病気のある人に対する大規模修繕工事の対応

相談者No.2564
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はじめまして。

この度自分が借りているマンションで大規模修繕工事が行われることになりました。築20年ほどのマンションなので仕方ないのはわかっているのですが、家族の個人的な健康の都合上、「そのまま我慢してやり過ごすわけにはいかず、どのような工事が始まるまでに、管理会社や施工主とどのような交渉が可能か、アドバイスいただきたく思います。

家族の状況
【夫】特に健康上の問題無し。都内オフィス出社が義務。
【妻】過去に、パニック障害、睡眠障害などの症状あり。また、産後体調がすぐれず、精神面・身体面に常に限界ギリギリ。蕁麻疹も慢性的に持っておりアレルギー体質。
【長男】生後四ヶ月。湿疹がひどく、医師からアレルギーの懸念が指摘されている。(まだ検査等は実施できない月齢。)
【親戚】親は両方地方のため頼れず。

大規模工事の内容
期間は半年。具体的に懸念しているのは2点。
- 騒音。乳児、妻ともに大きな音で大きなストレスを抱え、特に妻の睡眠障害等の懸念。
- 有害物質の使用。
トルエン等の使用が予定されており、アレルギー体質の妻、長男ともに大きな懸念。特に、長男はしばらく大きくなるまでアレルギーを誘発しうる物質からは遠ざかるように医師から推奨されており、死活問題。

騒音や有害物質に対する基本的な対策(換気の推奨、工事の時期の調整)などは講じられると説明されていますが、我が家族の健康上の特殊な状況を踏まえると、安心できる状況とは言えず、以下のようなことを要望することは可能か、アドバイスをいただきたいです。

- 仮住まいの提供
- 一時退去、および家賃の免除

秋山直人

秋山直人 弁護士(第二東京弁護士会)・宅地建物取引士・不動産鑑定士・その他

マンションには定期的に大規模修繕が必要であり、マンションを賃借している以上、基本的には、賃借人は大規模修繕工事について受忍しなければならないと考えられます。

大規模修繕工事による騒音や有害物質が、受忍限度を超えると立証できる場合には、仮住まい費用の損害賠償が認められたり、工事期間中の賃料減額が認められることがあり得ますが、受忍限度を超えると立証できない場合には、そうした請求は困難と思われます。

そして、受忍限度を超えるかどうかの判断は、原則として一般通常人を基準に判断されることになり、ご家族の健康上の特殊な事情は、基本的には考慮されないことになると思われます。

そのため、賃貸人に対し、仮住まいの提供や家賃の減額・免除を要望したとしても、なかなか難しいことが予想されます。
※この投稿は、2024年09月16日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。
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