相談 Consultation

事業用定期借地上建物の借家人

相談者No.2482
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事業用定期借地の上に建てられた建物を借りて小売業を営業しています。
建物賃貸借契約は当初5年の契約期間で、以後は1年ごとの自動更新です。現在は8年目です。
地主さんと建物所有者(借地人)との事業用定期借地契約は10年で去年すでに期間満了となっているそうです。
建物を借りるときに地主さんの承諾を得ています。
私は定期借地の上の建物だとは知っていましたが、期間が去年までとは知りませんでした。
地主さんは建物所有者と新たな借地契約はしないそうで、契約書通り即刻建物を取り壊して更地にして返すように言っているようです。

この場合、地主さんが私に、建物を明け渡すように通知してきたら、立ち退かなければいけないでしょうか。
立ち退かなければいけない場合は、最大、何ヵ月の猶予が認められますか。

また、地主さんでなく、建物所有者が立ち退きを請求したときは、立ち退く必要はありますか。
その場合、損害賠償請求はできますか。

秋山直人

秋山直人 弁護士(第二東京弁護士会)・宅地建物取引士・不動産鑑定士・その他

ベストアンサー

通常は、事業用定期借地権であれば、建物の賃貸借契約も普通賃貸借契約ではなく、定期借家契約又は「取壊予定の建物の賃貸借」(借地借家法39条)によると思うのですが、普通賃貸借契約をしているのでしょうか。

その場合、地主が定期借地権の終了を前提に、建物賃借人に建物明渡しを求めた場合には、建物賃借人は明け渡す義務があると思います。猶予期間というものは認められず(地主との交渉で認めてもらえれば別ですが)、明渡しを遅滞している間は、地主に対して土地の使用相当損害金を支払う義務が生じる可能性があると思います。

建物所有者に対しては、普通建物賃貸借契約なのであれば、債務不履行(契約違反)による損害賠償を請求できる可能性があると思います。ただし、ご相談者様も定期借地権付きの建物と知っていたとのことですので、その点については過失相殺を主張される可能性があるように思います。

また、建物所有者から立退きを請求されても、普通建物賃貸借契約なのであれば、建物所有者には賃借権を主張できると思います。

借地借家法
(取壊し予定の建物の賃貸借)
第三十九条 法令又は契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合において、建物の賃貸借をするときは、第三十条の規定にかかわらず、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めることができる。
2 前項の特約は、同項の建物を取り壊すべき事由を記載した書面によってしなければならない。
※この投稿は、2024年04月23日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。

相談者No.

2482

ご回答ありがとうございます。

定期借家契約でもなく、取り壊し予定特約付きの契約でもなく、普通の建物賃貸借契約です。

置かれている立場がわかりました。
すでに借地権のない建物となっており、建物所有者には何の権限もないようですので、地主さんと直接交渉して、家賃を上げる提案をして建物賃貸借契約を締結していただくように話してみます。

ありがとうございました。

建物所有者への損害賠償請求は、別に投稿したいと思います。

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