相談者No.2331
所有するビル(築40年)の設計図(建築確認書類)を見ると隣地との境界は30cmとなっており、いままでそこが境界と思っていましたが、隣地建て替えのため雇った土地家屋調査士が調べると、所有ビルから25㎝のところにコンクリートの杭が出てきました。
さらに測量の結果からか、杭よりもさらに内側、所有ビルから20cmのところに鉄の鋲を打ってゆきました。
まだ立ち合いの依頼はきておりませんが、この場合境界に関しましては土地家屋調査士の判断に従わなければなりませんでしょうか。(コンクリート杭もしくは調査士設置の鉄鋲?)
ちなみに法務局にて確認をしたところ筆界の座標登録はございませんでした。
また、かりに土地建物調査士の判断に従わなければならない場合、
現状所有ビルの排水、エアコンの配管、室外機、換気扇のフードなどが空中で30㎝くらい建物よりはみ出して設置されているのですが、取得時効を引合いに境界に関しても交渉することは可能でしょうか。
ご助言いただけますと幸いです。
秋山直人 弁護士(第二東京弁護士会)・宅地建物取引士・不動産鑑定士・その他
別の土地家屋調査士さんに依頼して検証してもらうことはして良いと思います。
ただ、土地家屋調査士さんは、科学的・客観的に測量を行うので、おそらくは間違いないのではないかと推測します。
空中越境について、取得時効を引き合いに交渉することはなかなか難しいのではないかと思います。
「ベランダ,出窓,アルミ庇,給湯器,雑配水管,木製窓台,アルミ格子」が空中越境している事案で、「特段の事情がない限り,敷地の占有は認められない」と判示している裁判例があります(東京地裁平成19年10月16日)。
越境を認めた上で、現在のビルを建て替えるまではそのままとすることを認めてもらい、現在のビルを建て替える際に是正すると約束する覚書を取り交わす処理が穏当ではないかと思います。
※この投稿は、2023年11月01日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。
秋山先生
早速のご回答ありがとうございます
空中越境の場合取得時効主張は難しいのですね・・
ちなみに、根拠も聞いてみてではあるのですが、今ある杭の位置での交渉もむづかしいでしょうか
道路から見て手前側と奥側とではもともと建物の間隔が違っていた(奥のほうが間隔が広く発見された杭も奥のほうが広くなっていた)のですが、
調査士の打った鋲の位置は逆に奥のほうが狭くなっているようです
杭があるということは、どこかのタイミングで同意があったのだとは思うのですがいかがでしょうか
ご意見お伺いできますと幸いです
何卒宜しくお願い致します
秋山直人 弁護士(第二東京弁護士会)・宅地建物取引士・不動産鑑定士・その他
そこまで細かい回答は掲示板ではできません。一度、面談の上で弁護士又は土地家屋調査士に相談することをお勧め致します。
土地家屋調査士に現場を見てもらった上で相談するのが良いような気がします。
※この投稿は、2023年11月02日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。
秋山先生
ご返信ありがとうございます。
承知致しました。
まだ立会い前ですので実際お話を伺ったうえで、面談にてご相談をさせていただくように致します。
ご助言ありがとうございました。