相談者No.2330
先日中古の戸建てを購入しましたが、設備に関して以下の不備がありました。
売り主様に対して工事・修理費用を請求できるものなのか教えて頂けないでしょうか?
①衛生放送アンテナが設置されていない。
→設備表では「有」となっている。
②風呂の換気扇が機能しない。(ONにしても換気扇が回らない)
→設備表では不具合なしとなっている。
重要事項説明書を読みますと、契約不適合責任の対象は、引き渡し完了から3ヶ月以内の前提で、以下となっていました。
・雨漏り
・主要部分の腐食
・シロアリ被害
・給排水管、排水桝の故障
また、設備の引き渡しに関しては以下のように定められていました。
・売り主は設備表に「有」とした設備を買い主に引き渡すこと。
・売り主は設備に関する契約不適合責任を負わないこと。
私としましては、設備表の申告に誤りがあるため、対応費用を請求できるのではないかと考えているのですが、法的な解釈はどうなるでしょうか?
どうぞ宜しくお願い致します。
秋山直人 弁護士(第二東京弁護士会)・宅地建物取引士・不動産鑑定士・その他
設備の不具合については、契約不適合責任とは別に、引渡から7日以内に通知されたものに限って修理するとか契約書に規定されていませんか?
※この投稿は、2023年10月31日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。
秋山先生
お早い確認ありがとうございます。
今、重要事項説明書と不動産売買契約書を読んでいるのですが、通知の期限に関する記載は見当たりませんでした。
秋山直人 弁護士(第二東京弁護士会)・宅地建物取引士・不動産鑑定士・その他
そうですか。設備の補修について特約があればそれに従うことになりますが、特約がないとなると、修理等の請求の根拠は契約不適合責任になるので、「売り主は設備に関する契約不適合責任を負わないこと。」という契約不適合責任免除の特約が基本的には有効となり、責任追及はできないことになります。
ただし、売主が契約不適合の事実(設備の不具合等)を認識していながら告知しなかったことを立証できる場合には、民法572条により、契約不適合責任免除の特約が無効と主張出来ます。
免除特約が無効の場合には、民法に従い、修理、代金減額等の請求ができることになります。
民法
(担保責任を負わない旨の特約)
第五百七十二条 売主は、第五百六十二条第一項本文又は第五百六十五条に規定する場合における担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。
※この投稿は、2023年10月31日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。
秋山先生
ご回答感謝致します。
今回は売主さん負担にすることは難しいと理解致しました。