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隣地50cm問題について

相談者No.2309
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民法234条について教えてください。

隣地が境界から25cmの位置に建物を建てるのですが、事前の説明がないまま建築が進められています。
私達は足場設置の際に隣地との距離を認識し、工事の中止を求めたのですが、民法より建築基準法が優位なので問題ないと工事は続いています。
こちらは慣習がある地域ではなく、防火地域・準防火地域でもないため、50cm離す要求ができると思うのですが相手は金銭で解決しようとしてきます。
そこで質問なのですが、50cm離してもらうには裁判しか手はないのでしょうか?また、裁判をすれば工事を中止させ、離してもらうことは可能でしょうか?
もう一点、建築に着手して1年以内というのは設計図が完成してからなのか着工してからなのか、どのタイミングからになりますか?

秋山直人

秋山直人 弁護士(第二東京弁護士会)・宅地建物取引士・不動産鑑定士・その他

建築基準法63条は、民法234条の特則と解されていますが、防火地域又は準防火地域でないなら、建築基準法63条は適用されないので、民法234条1項により、境界線から50cmは離さないとダメだと思います。

相手が交渉に応じないなら、建築を中止させるには、まず裁判所に仮処分を申立てて認めてもらう必要があるでしょう。

民法236条の「異なる慣習」があるか、という問題はありますが、そう簡単には「慣習」は認められないと思います。

掲示板での相談で、勝てるかどうか、確たる見通しは回答できませんが、民法234条1項からすれば、請求が認められる可能性はありそうです。

民法234条2項の「建築に着手した時から」については、常識的に考えて、隣地所有者が違反に気付くタイミングですから、設計図が完成してからではなく、現地で着工してからだろうと思います。

(参考条文)
民法
(境界線付近の建築の制限)
第二百三十四条 建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない。
2 前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から一年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。

(境界線付近の建築に関する慣習)
第二百三十六条 前二条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

建築基準法
(隣地境界線に接する外壁)
第六十三条 防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。
※この投稿は、2023年10月13日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。
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