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敷引金返還等

相談者No.2257
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敷引金返還等についてお伺い致します。

私は築50年のビル部屋を貸している賃貸人です。
この度賃借人のテナントさんが退去されるに当たり、原状回復をされないで退去されましたので原状復帰費用と特約条項にある敷金の内敷引金40%を差し引きますと通知し、テナントさん口座に振り込みました。

その後、テナントさん側から通知が有り「40%も控除した敷引特約は法的に無効と思料されるので敷金100%を返還されたし。
そこから適正な原状回復費用を控除する。」との内容でした。

その後、話し合いをし賃借側は「穏便に解決するために敷き引き40%は認めます。
但し敷引金を除いた60%全額返還するよう求めます。」との意向となりました。

それでは賃借者が為すべき原状回復費は免除するということになります。
納得が行きませんので、兎に角考えてからお返事致しますとしております。

賃貸者の要求として敷引金と原状回復費返還請求は正当なことでしょうか?譲歩すべきことでしょうか?
この場合、裁判に持ち込めば、どのような判決になるかについての予想もご示唆戴ければと存じます。

宜しくお願い致します。

秋山直人

秋山直人 弁護士(第二東京弁護士会)・宅地建物取引士・不動産鑑定士・その他

賃借人が個人で消費者であれば、高額すぎる敷引き特約は消費者契約法10条に違反して無効になることがありますが(平成23年3月24日最高裁判決という判例があります)、賃借人は営業用で借りていたテナントですよね?

そうだとすると、消費者契約法の適用はないので、基本的に賃貸借契約書に書いてあることが有効になる可能性が高いと思います。

敷引きと、賃貸借契約書に書いてある水準の原状回復費用を保証金から控除できる、ということになる可能性が高いということです。ただ、原状回復費用と敷引きが二重取りになっていないかは検討する必要がありそうです。

賃貸借契約書にどう規定されているかにもよりますから、一度面談の上で、賃貸借契約書を示して正式にお近くの弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
※この投稿は、2023年09月01日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。
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