銀行が融資の可否を決める判断基準として、一般的には、5つのポイントがあります。すなわち、①安全性、②収益性、③成長性、④流動性、⑤公共性です。
最も重要である①安全性のチェックでは、返済が滞るという事態が起こらないように、資金の使途、返済能力、及び担保の有無が審査されます。
まず、資金の使途が、たとえば自宅購入のための個人ローンなのか、それともアパートやマンションを投資用の目的で建築、購入するためのアパートローンなのかによって、基準が異なります。自宅購入のためのローンは、自宅を手放すことを避けるために通常は優先的に返済されるので、一般的には返済が滞る確率が低くなります。これに対して、投資用の資金は、投資が失敗した場合など、返済が滞る可能性が高いと考えられています。また、融資金額がアパート等の建築費用にきちんと充当されているかの確認がなされます。
次に、個人ローンの場合には、安定した収入があって、他の借入金も含めた年間の返済額がおおむね収入の30%から40%以内であるかが審査されます(ただし、年収の低さに応じて審査が厳しくなることがあります。)。
他方で、アパートローンの場合には、その地域のアパート・マンションの需要はどの程度あるのか、入居率が想定よりも若干下回ったとしても、返済を続けることができるかどうかなどが調査されます。その際、アパート・マンションの賃料収入以外の収入の有無も重要となります。つまり、給与収入等、賃料収入以外の収入が相当程度ある場合には、入居率が下がったとしても返済が滞るリスクがその分低くなると判断されます。
加えて、担保の有無も重要です。担保評価より上回る金額の融資は基本的にはできないと考えた方がよいでしょう。
その他、②収益性とは、金利等を考慮して、銀行にとって採算が取れるかどうか、③成長性とは、取引先に成長の見込みがあり、銀行との取引が発展する可能性があるかどうか、④流動性とは、融資資金が固定化せずに回転するかどうか、⑤公共性とは、銀行の公共的性格に鑑みて、反社会的であるなどふさわしくない取引ではないかどうかが検証されます。
以上のとおり、銀行が融資を決定する際のポイントとしては、①を中心に、②から⑤までの観点がありますから、これらの点を考慮し、準備したうえで融資を申し込む必要があります。
※この投稿は、2019年12月08日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。