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ワンルームマンションへの不動産投資【区分所有、メリット・デメリット】

作成日: 2021/01/19 投稿者名:溝口 矢
更新日: 投稿者資格:弁護士(東京弁護士会)
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【執筆者:溝口 矢】
弁護士(東京弁護士会、72期)。
慶應義塾大学法学部・同大学法務研究科卒業。弁護士法人Martial Artsにて不動産関係の問題に多数関与。(法律相談、交渉、訴訟、講演等)。
不動産投資DOJOにてコラム執筆中。





今回は、不動産投資の対象をワンルームマンション(区分所有マンション)にした際のメリット・デメリットについてご説明いたします。

 

ワンルームマンションへの投資のメリット

 

①物件価格が低い

 

ワンルームマンション以外の不動産投資の対象としては、一棟マンションや一棟アパート等があげられますが、これらと比較するとワンルームマンションの物件価格は低いです。

 

物件価格が低いということは、不動産投資を行うにあたって用意しなければならない資金が少なくて済むことを意味するため、不動産投資に挑戦しやすくなるということができるでしょう。

 

※あくまで不動産投資への参入のハードルが低いということにすぎず、ワンルームマンションへの不動産投資が成功しやすいという話には直結しません。むしろワンルームマンションへの不動産投資は、(初心者にとって)非常に難しいとも言われるところですので十分にご注意ください(ワンルームマンションへの不動産投資を行うことのリスクについては、「ワンルームマンションへの投資リスクは高い?!」という記事をご参照ください)。

 

また、物件価格が低いということは、投資家としてワンルームマンションを売却する際に、購入者が手を出しやすくなる面があるということもできるでしょう(ただし、下記⑵②のとおり、出口戦略が限られている点には注意が必要です)。買い手を見つけやすい要素があるということは、確実に売り抜けて最終的な利益を確定させるという点でポイントとなる部分のひとつです。

 

 

②管理がしやすい

 

ワンルームマンションの場合、建物全体の管理・運営は、管理会社が行うことが多い(マンションの管理組合が管理会社に対し業務委託を行って管理等を任せていることが多いです)ので、不動産投資家が管理に関する手間を負担する機会は少ないといえるでしょう。

 

 

③リスク分散の工夫がしやすい

 

用途・間取り・場所を意識しながら投資を行えば、リスク分散をすることができます。他の物件を対象とする不動産投資でも理論的には同様のことが可能ではありますが、上記⑴①のようにワンルームマンションは物件価格が低いからこそ、実践しやすいといえるでしょう。

 

※ただし、ワンルームマンションを複数持つことは、金融機関からの融資を受けるという視点では、望ましくない面があることにはご注意ください。ワンルームマンションは他の物件と比較して相対的に利益が出にくいため、金融機関からの評価が低くなりがちであるからです。

 

用途については、大きく居住用事業用とで分けることができます。さらに、居住用でも、単身者向けファミリー向けとで分けることができます。用途に応じて幾つかのワンルームマンションを保有していれば、ある用途についての需要が減少した場合でも大きな打撃を受けることを防げる可能性が高まります。


※例えば、新型コロナウイルスの影響下では、リモートワークの普及等により事業用物件の賃貸需要が下がっています。

 

間取りについては、一部の間取りの需要が減少した場合でも、他の間取りの需要があれば、やはり幾つかの間取りのワンルームマンションを保有しておくことにより、大きな打撃を受けることを防げる可能性が高まります。

 

場所については、都市部と地方とで分散させておくといったことが考えられます。これにより、景気のほか災害等による影響に対してもリスクを分散させることができます。



ワンルームマンションへの投資のデメリット

 

①利回りが高くない

 

投資用のワンルームマンションは、通常の物件と比較しても利回りが低い場合が多いです。これは、投資用のワンルームマンションの物件価格に、マンションを建築するデベロッパーや販売のための営業を行う会社といった業者の利益が上乗せされているためです。利回りが低くなれば、当然、利益も出づらくなります。

 

融資を引いた場合の金利、固定資産税をはじめとする諸費用、家賃下落や空室のリスク等を踏まえると、より一層利益を得にくい部分があるということがお分かりになると思います。

 

 

②出口戦略が限られている

 

条件によっては、ワンルームマンションの流動性(売りやすさ)が極めて低くなることがあります。ここでいう条件には、ワンルームマンション自体の価値(場所や築年数等)のみならず、売り手(不動産投資家)の希望売却価格も含まれます。

 

また、上記⑴①のようにワンルームマンションは物件価格が低いため、ローンの残債をワンルームマンションの売却価格が下回る場合には、ローンの際に付した抵当権が抹消できないために、買い手が見つかったとしてもワンルームマンションを売却できない可能性があります。

 

これらのことから、売却による出口戦略が限られてくる部分があるということができます。この点についての見通しが甘いと不動産投資の失敗にも直結しかねません。ワンルームマンションへの投資を行うにあたっては、事前にどう対応するかを決めておくことが重要といえるでしょう。

 

 

③管理の自由度が低い

 

上記⑴②の裏返しに近い内容となりますが、ワンルームマンションの場合、その使用方法等について管理規約で定めが設けられていたり、管理を管理組合が業務委託した管理業者に任せることになるので、不動産投資家自身が自由な管理を行うことが難しくなります。そのため、管理によって生じるランニングコストの削減をしづらい部分があるなどといった面があることは否めません。

 

※当然、管理会社に管理方法の見直しを求めるなどして、改善の働きかけをすることで、このようなデメリットに対応できる可能性もあります。

 

 

まとめ

 

ワンルームマンションへの不動産投資は、上記⑵のデメリットがあっても十分に利益を獲得できる算段が立つといえる場合に行うことが相当であるといえます。上記⑴のメリットにのみ引き摺られて安易にワンルームマンションを購入すると、予想外のリスクを引き受けたり、損をすることになりかねないので注意しましょう。

 

なお、デメリットと重なる部分もありますが、ワンルームマンションへの不動産投資のリスクとしては、

①利回りが高くない

②空室リスクが大きい

③更なる不動産投資がしづらい

④資産性が低くなりがち

などといったことが挙げられます。

 

詳細は、「ワンルームマンションへの投資リスクは高い?!」という記事において説明をしていますのでよろしければご参照ください。



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