秋山直人 弁護士(第二東京弁護士会)・宅地建物取引士・不動産鑑定士・その他
ベストアンサー
手付解除期間は既に過ぎているので、手付解除はできません。
決済期日には100万円を支払う義務が買主であるご相談者様にはあります。
そのため、決済期日に100万円を買主が支払わない場合、売主としては、①買主の違約(債務不履行)を理由に売買契約を解除して違約金を買主に請求するか、②解除せずにあくまで買主に対して売買契約の履行を請求する、すなわち、物件を引き渡すのと引き換えに100万円の支払いを請求するかを選択できます。
売主が①を選択すれば、違約金10万円の支払で済む可能性が高いですが、当該違約金が、損害賠償請求を別途行えるという趣旨の場合には、違約金10万円以外に、残置物処理費用も請求される可能性があります。(違約金条項の趣旨は、契約書を検討しないとなんとも言えません)
民法420条1項、3項では、違約金は、「賠償額の予定」と推定相続人されるので、通常は、違約金が決まっていればそれ以上に賠償を請求できないことが多いのですが、そうでないケースもあるということです。
民法
(賠償額の予定)
第四百二十条 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。
2 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
3 違約金は、賠償額の予定と推定する。
また、売主が②を選択した場合には、買主としては、物件の引き渡しは受けられますが、売買代金100万円を支払わざるを得ません。
今回のケースは、違約金が10%と安いので、売買代金全額を支払うことを避けるには、売主が残置物処理費用等を支出しているのであれば、10万円の支払いだけで済ますのは無理があり、残置物処理費用等も賠償した上での合意解除を交渉するというあたりが現実的ではないかという印象です。
※この投稿は、2025年04月06日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。