相談者No.2498
管理費等を10年以上滞納(管理費等及び遅延損害金合わせて500万円以上)している所有者から区分マンションを購入することを検討しており、不動産関係の法律に詳しい知り合いからアドバイスがあり、上記管理費等の滞納金額の内、5年超のものは既に商事債権として短期消滅時効になっており、もし私が購入した後、理事会又は管理組合から上記管理費等の滞納金額全ての支払いを求められても5年以内の管理費のみ支払えばよく、5年超の滞留金は一切支払う必要はない、との説明を受けておりますが、そのような理解で合っていますでしょうか。また遅延損害金も一切支払う必要はない、との説明を受けております。
上記の説明が事実であれば、5年以内の管理費等の滞留金相当額を売主から値引きしてもらい、購入することを検討しております。
お忙しいところ恐縮ですが、ご返事頂けると幸いです。
秋山直人 弁護士(第二東京弁護士会)・宅地建物取引士・不動産鑑定士・その他
間違っていますね。
まず、前所有者が管理費等の債務を承認しているとか、管理組合が管理費等を請求する訴訟を前所有者に起こして判決を取っている場合には、消滅時効が振り出しに戻っていることがあります。
また、管理規約の規定に基づき、遅延損害金の支払債務も発生していると解され、建物区分所有法7条、8条に基づき、買受人が承継することになります。
※この投稿は、2024年05月25日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。
秋山直人 弁護士(第二東京弁護士会)・宅地建物取引士・不動産鑑定士・その他
それと、管理費等の消滅時効期間が5年というのは合っていますが、根拠は、商事消滅時効だからではありません。
民法改正前は民法169条の定期給付債権だからであり、民法改正後は民法166条1項1号によります。
※この投稿は、2024年05月25日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。
早速、ご返事頂きまして、ありがとうございます。
前所有者が管理費等の債務を承認しているか否かは所有者に承認したか、聞けば良いでしょうか。債務を承認する、というのは具体的にどういう行為ですか。所有者が管理組合に滞納金を支払う旨を約した合意書などの提出でしょうか。
また、管理組合が管理費等を請求する訴訟を前所有者に起こして判決を取っているか否かについては調べる術はございますでしょうか。
例えば、登記簿謄本を見れば、上記判決が出ていれば、差押えなど乙区に何らかの記載がされていますでしょうか。
秋山直人 弁護士(第二東京弁護士会)・宅地建物取引士・不動産鑑定士・その他
債務を承認する、というのは具体的にどういう行為ですか。所有者が管理組合に滞納金を支払う旨を約した合意書などの提出でしょうか。
→その通りです。もっとも、口頭で債務の存在を認め、それを債権者に録音されていたような場合にも債務の承認になります。
管理組合が管理費等を請求する訴訟を前所有者に起こして判決を取っているか否かについては調べる術はございますでしょうか
→管理会社に仲介業者から聞くという方法が考えられます。
差押えの登記は甲区ですね。
管理費等長期滞納物件はリスクが高いので、お勧めしません。
これで回答を終了させて頂きます。
※この投稿は、2024年05月26日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。
早速、ご返事頂きまして、ありがとうございます。
もう1点だけ教えて下さい。
最後に記載されている、「管理費等長期滞納物件はリスクが高いので、お勧めしません。」というのは、購入した場合、売主の滞納金を全額支払わなければならない恐れがあるからでしょうか。
それとも、私が5年超の滞納は支払わない、と理事長に主張した場合、訴訟を提起され、裁判に長期間を要し、弁護士費用も多額にかかるからでしょうか。
先程、追加でお聞きした点に加え、ご回答のあった、登記簿謄本の甲区に管理組合による差押との記載があれば、差押した時点で5年超の管理費滞納の時効の延長されている、ことになるのでしょうか。それでも、所有者が支払わない場合、管理組合からの求めに応じ、裁判所が競売決定した場合も時効は延長されるのでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですがご返事頂けると幸いです。