秋山直人 弁護士(第二東京弁護士会)・宅地建物取引士・不動産鑑定士・その他
ご相談者様の立場は売主,買主どちらでしょうか?
売主が宅地建物取引業者ですと,宅地建物取引業法40条により,引渡しから2年間の契約不適合責任は免除できないと思います。
問題となっている「設備」が,売主(建物所有者)の所有している設備で,一定の価値があるものという認識が売主・買主間に生じるようなものであれば,契約不適合責任の免除は難しいように思います。
もっとも,契約不適合責任というのは,契約当事者が契約で予定した(つまり売買代金に反映されたと考えられる)品質等と実際の品質等とが異なる場合に問題となるものなので,問題となっている「設備」について,「経年劣化等の状況から,経済的価値がないものであることを売主・買主が相互に認識し,そのために「設備」については売主は契約不適合責任を負わないものとすることを相互に確認する」といった規定を置けば,実質的に免除できるかもしれません。
「賃借人が占有しているため」というのでは,「設備」に経済的価値がない(売買代金に反映されない)とは限りませんので,理由として弱いのでは,と思います。
(担保責任についての特約の制限)
第四十条 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百六十六条に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
2 前項の規定に反する特約は、無効とする。
※この投稿は、2022年01月28日時点の回答になります。ご自身の責任で情報をご利用いただきますようお願い致します。