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住宅ローンを組んでいるが個人民事再生を取る場合


住宅ローンを組んでいる人が債務整理をする場合、一番おすすめの方法が『住宅ローン特則』を利用した個人再生です。この方法を取ることで、自宅を残したまま大幅な借金減額をすることが可能となります。

今回は、住宅ローンを組んでいる方が個人再生を行う方法や他の債務整理との違いについてご説明します。

関連記事:住宅ローンの返済が苦しいときの「3つの対処法」を弁護士が解説

 

住宅ローンを組んでいる方の個人再生は『住宅ローン特則』を利用すべし

最初にお伝えしたように、住宅ローンを組んでいる方が個人再生をする場合、『住宅ローン特則(住宅資金貸付債権に関する特則)』を利用することをおすすめします。

 

住宅ローン特則を利用することで住宅ローン以外の債務を減額できる

通常、個人再生では全ての債務が平等に減額されますので、住宅ローンを含めた全ての債務が対象となります。住宅ローンを個人再生の対象にしてしまうと、ローン会社が「ローンを支払えない」と判断して、住宅を競売にかけます(抵当権が付いている場合)。

しかし、住宅ローン特則を利用することで、住宅ローンのみを個人再生の対象から外します。こうすることによって、住宅ローンは変わらず返済し続けますが、住宅を競売にかけられることはありません。

個人再生によって、住宅ローン以外の債務は大幅に減額させることができますので、住宅ローン以外の債務の返済にお悩みの方は、非常に効果的な方法です。

 

住宅ローン特則の利用条件

住宅ローン特則を利用するには以下のような条件があります。

 

  • 申立人の住居目的の住宅
  • 購入や建築の際のローンのみ
  • 抵当権が設定されている
  • 住宅ローン以外の担保になっていない
  • 代位弁済の開始から半年以内

 

”住宅”限定になりますので、住んでいない建物等のローンは対象外となります。また、抵当権が設定されていないローンでも利用ができません。

他の債務の担保に住宅が取られているようでしたら、仮に住宅ローン特則で住宅を残せたとしても、他の債務を個人再生したことにより住宅を手放すおそれがあります。

個人再生の利用条件と併せると少し複雑になり、住宅を扱う重要な手続きとなりますので、必ず弁護士に具体的なアドバイスをもらうようにしましょう。

 

手続きが複雑で弁護士への依頼が必要

上でもお伝えしましたが、そもそも個人再生手続き自体が複雑です。法的知識がある方でも無い限り、ご自身だけで申立てを行い再生計画の認可を貰うには難易度が高すぎます。

必ず弁護士に相談し、基本的には弁護士に手続きを任せるものだと思っておいてください。

ちなみに個人再生の弁護士費用相場は、50~70万円程度ですが、住宅ローン特則を利用する場合には、さらに手続きが必要になり費用も10~20万円ほど上がることが多いです。

 

住宅ローンを組んでいる方が個人再生をするメリット・デメリット

上記でご説明した内容と重複する部分がありますが、住宅ローンを組んでいる方が個人再生をするメリット・デメリットに分けてご紹介します。

 

個人再生のメリット

自宅を残しながら大幅な借金減額ができる

住宅ローンを組んでいる方が個人再生をする大きなメリットが、自宅を残しながら大幅な借金減額が可能となることです。

他の債務整理には『任意整理』と『自己破産』がありますが、任意整理では大幅な借金減額が期待できませんし、自己破産では自宅を手放すことになります。

住宅ローンを組んでいて住宅ローン以外の借金が多くてお困りの方は、個人再生が非常におすすめです。

 

個人再生のデメリット

住宅ローンそのものは減額できない

自宅を残すための住宅ローン特則を利用すると、住宅ローンは個人再生の対象から外れます。すなわち、今まで通り住宅ローンは返済し続ける必要があります。

ただし、住宅ローン特則によって最終返済期間を延長してもらったり、同意によってその他返済のルールを変更してもらうことが可能となります。

これによって住宅ローンの返済負担が多少なりとも軽減されます。しかし、それでも住宅ローンの返済が難しい状況の方であれば、自己破産を検討せざるを得ないケースかもしれません。

 

手続きが複雑で弁護士への依頼が必須

上記でもお伝えしましたが、個人再生の手続きは複雑で、弁護士への依頼が必須と言えます。そうなれば弁護士費用がかかってきます。50~100万円程度は弁護士費用として考えておいた方が良いでしょう。

 

個人再生と他の債務整理の比較

最後に、個人再生と他の債務整理について簡単に比較してみましょう。住宅ローンを組んでいる方は、基本的に個人再生が一番おすすめなのですが、状況によっては他の債務整理に頼らざるを得ない状況の方もいます。

 

任意整理|自宅を残せるが減額も少し

住宅ローン以外の債務が少なめの方は、任意整理による返済負担の軽減の方が、手続きも簡単で手早く済ますことができます。

任意整理でも住宅ローンを除外して他の債務のみ交渉ができますので、住宅を手放さずに済みます。月々の返済負担が数万円減るだけでも十分返していける方は、任意整理も検討してみましょう。

 

自己破産|自宅を手放すことがほとんど

個人再生で債務を1/5にまで減少させることができますが、それでも借金返済が難しい方や住宅ローンすら返済できない状況にある方は、自己破産を検討しなくてはならない段階とも考えられます。

自己破産をすることで、残念ながら自宅を手放すことになってしまいます。それでも、住宅ローンを含めた全ての借金返済義務が無くなりますので、非常に大きな効果がある方法です。

自己破産によって自宅を手放すことにはなりますが、リースバックを利用することで今の家に住み続けることも可能です。方法の1つとして検討してみてください。

 

※リースバック

不動産投資家などに自宅を買い取ってもらい、ご自身は賃貸借契約で今の家に住み続ける方法

 

まとめ

住宅ローンを組んでいる方は、住宅ローン特則を使った個人再生が一番のおすすめです。住宅を残しながら大幅な借金減額が期待できます。

当サイトでは無料で弁護士などの専門家に相談することができますので、もしお困りの際は是非ともご利用ください。

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